英語のエッセイ、論文に!「しかしながら」「一方で」接続詞バリエ。

日本で英語を勉強している人の中には、

英語でエッセイを書かなくちゃいけない」
英文のレターを書かなくちゃいけない」

という人もいるでしょう。

また、学生や研究職の人ならば、

英語で論文を書かなくちゃいけない」
「自分の専門分野を英語で説明しなくちゃいけない」

といった場面も、意外とあるかと思います。今はそんなことは無縁だと思っていても、ある日突然必要な状況がやってくるかもしれません……!(と脅すわけではありませんが (笑))

英語圏のビザを取る場合、IELTSの試験を受けなければいけない場合もあります。IELTSには、レターやエッセイを書くライティング試験もあります。

実際に仕事や生活の中で英語を使うためには、「書く」ことも意外と大切です。

そんな時、ふと困ってしまうのが、「どうやって文と文をナチュラルにつなぐ?」ということではないでしょうか?

ある程度、一つ一つのセンテンスは作れたとして、まとまった量の英文となると、個々の文をうまくつないで、よりスムーズな文章にする必要があります。そこで必要なのが、

接続詞!

特によく使われるのが、前に述べたことと、これから述べることが、逆の内容である場合。

「(前に述べたことをふまえて)しかしながら、(反対のことを述べる)」
「 …… だが、~~だ。」
「(●●は~である)。その一方で、(××は…である)」
「(●●は~である)のに対し、(××は…である)」

などなど……。

普通の手紙やメールでももちろん必要ですが、特に論文エッセイなど、論を展開する文章になると、このように2つの異なる意見や物事を対比させる流れは、結構大切ですよね。

そんな時、英語の場合、どんな言葉で文と文をつなげばよいでしょうか?

今回は、ライティング・英文の記述の中でよく使われる「接続詞」のパターンを紹介します。

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1. but で「~であるが、…」とつなぐ

もっとも簡単で基本的なのが、but を使う方法です。「but = しかし」は、ほぼ誰もが知っているでしょう。これは話し言葉でも文章でも、どちらでも使えます。フォーマルでもカジュアルでもOK。ある意味万能です!

基本の使い方は、

<文1>, but  <文2>

(文1)だがしかし、(文2)

という感じです。一般的に、but の前にはカンマ(,)が来ます。

例文)

These two fruits look similar, but their flavour and texture are very different.

これら2つの果物は同じように見えるが、風味と食感はまるで違っている。

You might think it would be nice to have a cold beer at the beach, but actually drinking alcohol in public places is illegal in Australia.

ビーチで冷えたビールを飲むのは素敵だとあなたは思うかもしれないが、実際には、オーストラリアでは公共の場でお酒を飲むことは法律違反である。

また、But文頭に持ってくることもできます。以下は、実際の英文記事の使用例です。

You ask Alexa to play a song, Siri for the weather or the Google Assistant to make a call. But what happens when your toddler asks a voice-activated device a question?

あなたは、Alexaに曲をかけるよう頼んだり、Siriに天気を尋ねたり、Google アシスタントに電話をかけるよう頼んでいる。だが、もし幼児が音声起動型のデバイスに質問したら、どうなる?

from UW News

※訳は参考のためにつけてありますが、筆者による意訳です。以下同様。

2. However で「しかしながら、」と始める

しかし、ある程度のボリュームがある文章では、何度も but が続いてしまったりすると、ちょっとしつこく感じますね。反対のことを話題にしたい時、but 以外でよい表現はないのかなぁ……。

そんな時使えるのが、however です。

however は、基本的には文頭につけて、「しかしながら、……」「だがしかし、……」とセンテンスを始めたい時に使えます。but に比べると、これまでと反対のことを述べます、ということを強調するような、文の流れを変えるようなニュアンスがあります。効果的に使うと、文章にメリハリが出ます。

however の後には必ずカンマ(,)が来るので、文頭につける時はワンセットで。

<文1>. However, <文2>

(文1)。しかしながら、(文2)。

例文)

These two fruits look similar. However, their flavour and texture are very different.

これら2つの果物は同じように見える。しかしながら、風味と食感はまるで違っている。

You might think it would be nice to have a cold beer at the beach. However, drinking alcohol in public places is illegal in Australia.

ビーチで冷えたビールを飲むのは素敵だとあなたは思うかもしれない。しかしながら、オーストラリアでは公共の場でお酒を飲むことは法律違反である。

ちょっとニュアンスを出す場合に、however は文中にくることもあります。

In this situation, however, it will be the best solution.

しかしながら、この状況では、それが最善の解決策でしょう。

実際の英文記事では、こんなふうに使われています。

Nobody wants to think of themselves as being sexist. However, a number of studies have shown that identical job applications or resumes are evaluated differently based on whether they are labeled with a male or female name.

誰も、自分のことを性差別主義者だとは思いたくないだろう。しかしながら、同じ内容の求人申込書や履歴書が、男性名か女性名かによって異なった評価をされていることが、たくさんの研究から示されている。

from Tech Diversity Files

2. although で「~であるが、」とつなぐ

although も、but や however のバリエーションとして使えます。どちらかというとフォーマルな場面で使われ、ややかしこまった手紙やメール、またエッセイや論文などのライティングで用いられます。

2つのセンテンスを「~であるが、~」「~だけれども、~」というふうにつなげる時に使います。文の順番に注意してください。

Although <文1>, <文2> または、

<文2> although <文1>

(文1)であるが、(文2)。

1番目のパターンでは、<文1>の後にカンマが来ます。2番目のパターンでは、<文2>の後にカンマが来ることもあります。

例文)

Although these two fruits look similartheir flavour and texture are very different.

これら2つの果物は同じように見えるが、風味と食感はまるで違っている。

Drinking alcohol in public places is illegal in Australia although you might think it would be nice to have a cold beer at the beach.

ビーチで冷えたビールを飲むのは素敵だとあなたは思うかもしれないが、オーストラリアでは公共の場でお酒を飲むことは法律違反である。

以下は、実際のウェブサイトからの引用です。

The disease can occur at any age, although it mostly occurs in children and young adults. 

この病気はほとんどの場合、子どもや若者が発症するが、どの年代でも起こりうる。

from Diabetes

ところで、although はややフォーマルな表現でよく使われます。一方、「~なのに、……だ」と、もう少しカジュアルな話し言葉で言いたい時には、 代わりに even thougheven if を使うことがあります。これについては、以下の過去記事をお読みください。

「~だけど/なのに、~だ。」と英語で言いたい!表現方法と例文。
会話や軽いメールなどの中で、「~だけどさ。」「~なのに、~だよ。」といった表現はよく使われると思います。 「本当は行きたかったんだけど、急用が入っちゃって行けなかったの。」 ...

3. whereas と while で「~の一方で、」と対比させる

また、異なる2つの事柄を述べるために、

「●●は…であるのに対し、××は~である。」
「●●は…であるが、一方で××は~である。」

という表現をする場合もあります。このように、2つの異なる内容を対比させたい時whereaswhile を使うことができます。

Whereas/While<文1>, <文2>

(文1)なのに対し、(文2)。

<文1>, whereas/while <文2>

(文1)だが、一方で(文2)。

※語順によって厳密な意味の違いはないようですが、何を強調したいかによって語順を決めるとよいのかな、と思います。

例文)

It’s hard to get Umeboshi in Australia, whereas we can easily find it at any supermarket in Japan.

オーストラリアで梅干しを手に入れるのは困難だが、一方で日本ではどこのスーパーでも簡単にみつけることができる。

Sometimes we lose our appetite when we’re stressed, while at other times we overeat.

私達はストレスを感じると、時に食欲を失う一方で、食べ過ぎてしまう時もある。

この場合、whereas と while は、どちらを使ってもOKです。

実際の例としては、以下のように使われています。

The new Commodore is much narrower than before — so the driver and front passenger are much closer shoulder-to-shoulder. The back seat would struggle to fit three adults across the back, whereas the current car can do that with ease.

新しいCommodore(車の車種)は、前よりもずっと狭い — なので、運転者と助手席の人は肩が触れ合うくらい近づく。後部座席は、大人3人が並ぶには苦労するだろう。それに対して、現在の車は簡単に(大人3人が座ることが)できる。

from news.com.au

注意点として、while には、「~している間」という意味もありますが、この場合は違います。

また、while は、 although や even though のように、「~だけれども、~」というニュアンスで使うこともできます。

4. on the other hand で「一方、」と切り出す

前に述べたことに対して、これから逆のことを言いたい時、「それに対して……」「一方で……」と言った言葉と共に、新しいセンテンスを始めたい時がありますよね。

その場合は、文頭に “On the other hand,” をつけて切り出すと、うまくつながります。文法的には「接続詞」とは違いますが、ライティングでは定番のイディオムです。

例えば、実際の記事では、以下のように使われています。

The majority of the kids praised for their intelligence wanted the easier puzzle; they weren’t going to risk making a mistake and losing their status as “smart.” On the other hand, more than 90 percent of growth mind-set-encouraged kids chose a harder puzzle.

賢い(頭が良い)ことを褒められた子どもの大半は、より簡単なパズルを欲しがった。つまり、彼らは、失敗して「賢い」という地位を失うリスクを負おうとしなかったのだ。一方で、頑張ること(学ぶ意欲や姿勢)を励まされた子どもの90%以上が、より難しいパズルを選んだ。

from Time

“On the other hand,” は、前に述べてきたことに対し、新しいパラグラフで反対の話題を扱いたい時などの導入に使えます。たとえばエッセイなどでは、最初のパラグラフ(段落)である意見を書いた後、次のパラグラフでは逆の意見を書く、という展開はよくありますよね。

whereas や while の場合は、対比させる2つの内容が一つのセンテンスに含まれることになり、長い文をつなぐにはちょっと苦しい面があります。そんな時、”On the other hand,” を使うと、スッキリとまとめることができますね。

ちなみに、”on the other hand” は、however と同じように、文中に挟んで使うこともあります。

まとめ

最後に、今回紹介した

  • but
  • however
  • although
  • whereas
  • while
  • on the other hand

が文中に含まれている英語の記事を紹介します。

以下に紹介するニュース記事は、公共のトイレにある、洗った手を乾かすための「ペーパータオル」と「ハンドドライヤー」、どちらがよいか?を、環境面と衛生面から議論している、とても面白い記事です。この中に、今回紹介した接続詞や英語表現が使われています。このように、2つの物事をさまざまな面から比較するような文章では、特にこうした言葉は欠かせません。反対の内容を説明する時に、どういう英語が使われているか?を注目しながら読んでみてください。ちなみに、この英文は、オーストラリアのニュースのもので、研究論文よりはカジュアルな感じです。そのためか、although の代わりにeven though が使われています。

Paper towels or air hand dryers: Which is better for the environment and hygiene?| ABC news

今回紹介した言葉以外にも、「しかしながら、」「一方では、」と反対のことを述べる時に使える言葉は色々とあります。色んな英語に触れながら、少しずつ覚えていくとよいでしょう。

ですが、この記事で挙げた言葉は、実際の英文でもよく使われているものであり、これらを使いこなすだけでも、メリハリのある英文になるのではないか、と思います。

文の流れや、言葉のバランス、どこにポイントを置きたいか、などを考えて、バリエーションをつけて使うとよいでしょう。

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