私はよく、「おやつ食べたい~」「おもちゃ買ってほしい~」と息子にねだられるのですが(苦笑)、そんな時に親が決まっていうことは、
「我慢しなさい!」
あるいは、出かけると、突然子どもに「トイレ行きたい~」と言われることがあります。そんな時、
「もうちょっと我慢できる?」
こんなふうに、日常会話でも私達はよく、「我慢する」という表現を使います。
他にも、
「あんな言い方をされたら、我慢できない。」
「ダイエット中だけど、甘いものが我慢できない。」
「面倒なことでも我慢する。」
「我慢強い人だ。」
などなど……。
人間の生活の中で、大人でも子どもでも「我慢」する場面は必ず出てきます。
今回は、英語で「我慢する」に関する言い方のバリエーションを、例文とともに紹介します。
「我慢する」の一般的な表現(put up with)
日本語では、「我慢する」を和英辞典などで調べると、bear や stand などが出てきます。
が、特にbear は、フォーマルな言い方で使われる単語で、主にライティングで使われます。
英語の日常会話の場面で、最も広く「我慢する」を言い表すなら、put up with という成句が便利です。
put up with ~
~(名詞)をがまんする。
特に、いやなことを我慢して耐える、という意味で使われます。
例文)
We have to put up with the cold during winter.
冬の間は寒くても我慢しなくちゃね。(寒さに耐えなければならない)
I’ve been putting up with this old house for more than 10 years.
私達はこの古い家に10年以上も我慢して住んできた。
「我慢して!」(be patient)
たとえば、子どもに「もう少しだから、~を我慢して」と言いたい時があります。そんな時は、
という表現が使えます。
be patient は、「(したいことを)我慢して待つ。」というような意味があります。その命令形です。
例文)
Dinner will be ready in half an hour – just be patient!
あと30分で夕ご飯ができるから、ちょっと我慢して!
Be patient for a while! I’ll finish my work soon, then take you to the playground.
少しの間我慢しなさい!すぐに仕事を終わらせて、そしたら公園に連れて行ってあげるから。
patient は、「我慢強い」「忍耐強く取り組める」といった意味を持つ形容詞です。
そのため、人が我慢強い様子を、以下のように英語で言い表すことができます。
He’s very patient with small children.
彼は小さい子どもに対してとても我慢強い。(忍耐強く対応ができる)
やりたいことを「我慢できない!」(can’t resist)
また、会話の中で、「~が我慢できない」「~がやめられない」という言葉も、よく出てきます。
たとえば
「ダイエット中だけどドーナッツだけは我慢できないんだよね~!」
とか、
「彼はゲームがやめられない。」
とか。
『好きなことが我慢できない』様子を表す英語表現として、
can’t resist something
can’t resist ~ing
~を/~することを、我慢できない
という言い方があります。
resist という動詞は、「誘惑などに抗う」という意味がありますが、特に can’t resist というまとまった形で、「好きなことを我慢できない」という表現になり、英語ではよく使われる言い方です。
例文)
I don’t wanna put on weight, but I can’t resist Starbucks Caramel Frappuccino.
太りたくないけど、スタバのキャラメルフラペチーノは我慢できない。
I couldn’t resist buying this new bag.
この新しいバッグ、我慢できなくて買っちゃったわ。
It’s hard for kids to go through the toy aisle – there are too many things they can’t resist!
子どもにとって、おもちゃ売り場を通過することは難しい。子どもには我慢できない(誘惑に勝てない)物がたくさんあるもの!
嫌なことを「我慢できない」(can’t stand)
一方、「(嫌なことを)我慢できない」という時は、
can’t stand ~
~(名詞)に耐えられない・我慢できない
という英語表現があります。
「イヤなことに耐えられない・がまんできない」、という意味です。
例文)
I can’t stand him.
彼には耐えられない。彼のことが我慢ならない。
I can’t stand it anymore!
もうこれ以上我慢できない!(もう我慢の限界だ!)
I couldn’t stand being there for more than three hours.
3時間以上もそこにいるなんて私には我慢できなかった。
「あーやだやだ」「耐えられない」「うんざりだ」……なんてことを言いたい時に、覚えておくと使える表現ですね。
生理現象や感情を「我慢する」(hold …)
日常会話の中で、意外と避けられないのが、こんな「我慢する」の表現。
「トイレを我慢する」「くしゃみを我慢する」
などなど……。
こんなふうに、特に生理現象を「我慢する」場合には、
という言い方をします。
「トイレを我慢する」という言い方は、非常によく使いますよね。以下のような言い方をします。
Mum! I need toilet! I can’t hold it anymore!
ママ!おトイレ行きたい!もう我慢できないよ!
※hold it back または hold it in と言うこともあるようです。
I can’t hold my urine for long.
長時間排尿を我慢できません。
「涙を我慢する」「泣くのを我慢する」時は、hold back one’s tear と言います。
I couldn’t hold back my tear. It was really sad.
涙をこらえられなかった。ホントに悲しかった。
「くしゃみを我慢する」は、hold in a sneeze。
Holding in a sneeze can be dangerous.
くしゃみを我慢することは危険な可能性があります。
怒りなどの感情を見せることを「がまんする」も、hold in を使います。
He couldn’t hold in his anger.
彼は怒りを抑えることができなかった。
Go ahead and cry. Don’t hold it in.
泣いていいんだよ。我慢しないで。
「我慢強く受け入れる」(tolerate)
人が、「不快な状況や困難な状況に対し、我慢強く耐える・受け入れる」ということを表すには、
tolerate
という動詞が使われます。
例文)
She tolerated the noisy children.
彼女は騒がしい子ども達にも我慢強く耐えた。
He just tolerated the boss who always yells at him.
彼は、自分を怒鳴りつける上司にただ耐えた。
tolerate は、一般的に、(困難な状況に)「耐えられる」「持ちこたえられる」「許容できる」という意味を表す英単語です。
この意味で、人だけでなく、物を主語にしてこんな表現にも使われます。
This plant prefers full sun but will tolerate light shade.
この植物は、日当たりのよい場所を好みますが、明るい日陰でも大丈夫です・育ちます。
まとめ
「我慢する」と、日本語では一つの言葉で言い表せることも、英語の表現ではいくつかのバリエーションがあります。
今回は特に、日常生活の中でよく登場する、カジュアルに使える表現を中心に紹介しました。
「イヤなことを我慢する」ことと、「好きなことを我慢する」こと……。日本語ではどちらも「我慢する」だけど、英語では表現が異なります。確かにこうして考えてみると、両者はずいぶん性質の違うことだな、と思います。
英語を通して、日本語の表現を再発見するのは、面白いですね。
自分に身近な表現から、覚えていきましょう!