英会話を学ぶ中で、
「英語をペラペラにしゃべれるようになるまで、いったい何年くらいかかるんだろう?」
「私はどのくらい英会話を学べば、自信を持って英語が話せるようにようになるんだろう?」
と考えてしまうことも、あるかもしれません。
覚えても覚えても、次から次へとわからない単語が出てくる・・・
英会話の先生の言うことはわかっても、他の人だと何を言っているか聞き取れない・・・
いつまでたっても、言いたいことがすんなり言えない・・・
なかなか自分の英語に自信が持てるようにならず、焦ってしまう時はあります。
どんな場面でも、不自由なく、流暢にしゃべれるようになりたい!
そうしたら、私も自信を持って海外に出て行ける。
そうしたら、海外の人と、堂々と渡り合えるハズ。
・・・そんなふうに思うことはありますか?
では、いったいどのくらい経てば、英語がペラペラになれるのでしょうか。
海外に1年住めば英語がペラペラになるのか?
たとえば私のように、基本的な英語教育を学校で受けてきたけれど、英語環境にまったく触れたことのない人が、英語圏で生活をするようになったとして、何年くらい住めば英語が話せるようになるでしょうか?
私は今、西オーストラリア・パースに暮らし始めて3年半ちょっとになります。
私の感覚では、たとえば半年や1年くらい住んだだけでは、自信を持って「英語がしゃべれる」というレベルまではならないように思います。(それ以前に経験がなかったとして)
それでも、1年くらい過ごせば、基本的な挨拶や簡単な受け答えはできるようになるでしょう。また、英語で話していることが、なんとなくわかる・・・という感じにはなってくると思います。
少しずつ耳が慣れてきて、地名や固有名詞を覚えてきて、その地域で日常的に使われる単語や言い回しを覚えてきて・・・だんだん勘が働くようになってくるんですね。
また、特に現地の語学学校に通ったりしていれば、毎日豊富に英語に触れられるのですから、確実に上達できるはずです。
ただ、日本語のように、自分が言いたいことをパッと言えるには程遠いし、複雑なことを言われると理解できない、、、そんな感覚がまだ強いと思います。
知らない単語もまだたくさんあるし、自信を持って話せるとは言い難いのでは。
私自身は、こちらに来て1年後の段階では、
「1年前よりだいぶ英語がマシにはなったけど、まだまだ言いたいことが言えなくてイライラする」
という感覚が強かったですね。
時には悔しくて泣きたくなってしまうこともあったし、本当に英語に慣れる時が来るんだろうか・・・と悲観したこともありました。
その頃、パースで通っていた英語教室の先生に、
「3年くらい経つと、だいぶ慣れて来たと思えるようになるよ。だから焦らず、あきらめず、少しずつ勉強を続けていくことが大切。」
と言われました。
これまで、パースで英語を学ぶ多くの生徒さんを見てきた先生。そして自らも西オーストラリア出身でありながら、日本語を学び、日本留学の経験もある先生が、そう言ったのです。
私はその言葉を信じて、あきらめないでやっていこう、と思いました。
3年海外に住んだら英語はペラペラか?
そうして私自身、パースで3年半暮らしてみて、今の感覚はというと・・・
率直に言って、「慣れてきたな」という感覚はあります。
英語で話しかけられても、「何を言われているかわからなかったらどうしよう!」と、びくびくする感覚がだいぶなくなりました。
電話がかかってきても、おびえずに出られるようになりました(笑)。
お店の人など、知らない人に話しかける時も、心臓がバクバクしなくなりました。
それは、場面に慣れて来たこと、会話に慣れてきたこと、の他に、何を言われているかわからない時に「わからない」と言える方法がわかったから、というのがあります。
たとえば、「言われたことが聞き取れなかった時の対処法」について、具体的な方法を以下の記事に書きました。参考になればと思います。
また、自分の日常生活に必要な単語や言い回しがだいぶわかってきたので、聞き取るのも言うのも慣れてきました。
しかしながら、いまだに自信を持って英語がしゃべれるか、というと、そうではありません。
何か言おうとした時に、英語でどんな単語を使ったらよいのかわからず、言葉に詰まってしまうこともいまだにしょっちゅう。
初歩的な文法の間違い(たとえば He always do(正しくはdoes)とか、I sitted (正しくはsat)とか)をしてしまったりとか。
聞き間違えや、聞き取れなくて「???」となってしまうことも、まだまだたくさんあります。
息子の宿題を見ながら、知らない単語が出てくることもたくさんあります(笑)。
話している途中で頭がこんがらかって、「あぁー、私、ヘンな英語しゃべってるよなー(汗)」と思いながらしゃべっていることもよくあります。
そんな感じです。
基本的なコミュニケーションは取れるようになったと思うけど、日本語でできることに比べたら、まだまだ英語でできることは初歩的なことだけだなぁ、という感じです。
自分の思いや主張を100%思った通りに人に伝えたり、自分の経験を理路整然と伝える、などといったことは、今でも十分にできるレベルとは思いません。
結局、何年経ったら英語がペラペラになるのか
何年経ったら、あれこれ頭で考えなくても、日本語をしゃべるように英語がしゃべれるようになるのか・・・。
何年、というのは、非常にあいまいで難しいです。
10年以上海外で生活しても、国際結婚の夫婦でも、「私は英語があまりしゃべれない」という人は正直います。どの程度のレベルかはわかりませんが、そういう人は少なくとも「英語ペラペラ」という感じではないのかなーと思います。
本人の勉強の仕方や、英語に対する興味、触れ方、もしかしたら得意不得意なども関わってくる面はあるかもしれません。
それとは別に、私自身がパースで暮らす中で思ったことは、「いつまで経っても英語でラクにしゃべれるようにはならないんじゃないか」ということです。
もちろん、たとえば子どもの頃に英語を話せるようになれば、ネイティブ並みになれるのかもしれませんが、少なくとも私くらいの年齢(40代)で英会話を始めて、まるで母国語のように「何も考えなくてもナチュラルな英語が話せる」ようになることは、たぶんないと思います。
どんなにがんばっても・・・。
でも、ただ悲観的になっているわけではありません。
こちらで、周りの日本人の人だけでなく、子どもの学校の先生、子どものクラスメイトの親達ともやりとりする中でわかったことがあります。
まるで苦も無く英語をしゃべっているように見える人でも、もともとここで生まれ育った人でない限り、やはり英語を話す時には苦労や努力をしているようだ、ということです。
パースは海外からの移民が多いので、本来は自分の国の言葉(母国語)があり、第二言語として英語を話す人が多いです。そういう人達は、当然、英語を勉強することによって、それだけ話せるようになっているんですね。
単語や発音をコツコツ覚えて行き、自分の国の言葉との違いに戸惑ったりしながら、英語を覚えてきている。
私達日本人と、同じです。
そしてナチュラルな英語を話すために、日々練習している。そういうことを常に意識的に取り組んできた人だからこそ、ナチュラルな英語を話せているのだろう、と感じます。
英語が母国語でない私達日本人にとって、「英語を学ぶ」ということには終わりがない、、、というのが、今の私に言えることです。
まとめ
日本人は、日本語だけでも生きて行けるし、外国語を学ぶことは特別なこと、という感覚がありますが、一歩日本の外へ出てみれば、母国語でない言葉で仕事や生活することは珍しいことではありません。
そうした状況で生きて行かざるを得ない人もたくさんいます。
誰もが、英語が上手に話せる状況で海外に住んでいるわけでもありません。
私がもっとも強調したいことは、
「英語が話せるようになったら、海外移住をめざそう。」
「英語に自信がついたら、海外に行こう。」
と思ってはダメ!ということ。
そう考えている限り、おそらく一生、海外に出てはいけないでしょう。だって、自信を持ってスラスラと英語を話せる、なんて、いくら勉強しても、し足りないのです。
もしも機会を得られたなら、英語に自信がなくても、海外に行って見ましょう!
自分がどれだけ話せないかを知るのもよいでしょう。
日本との考え方の違いに触れるのもよいでしょう。
実際に英語を使う環境に近づくことが、英語が上達する第一歩かもしれません。