たとえば就活などで、自分の長所を言う時、何て言いますか?
あるいは、自分の身近な人の長所を他人に紹介する時、どんな言葉を使いますか?
英語圏にいると、自分をうまくPRするということが、とても大切だなと感じます。
私はまだ、パースで本格的な就活をやったことがありませんが・・・たとえ日常的な人との交流の中でも、自分はどういう人間か、ということを、こっちの人はみんな、パッと言えますよねー。
『自分はどんな仕事をしていて、どんな特技があって、こんなことができて…』
みたいなことを、スラスラと当たり前に言います。
一方日本人は、自分をPRすることがどちらかといえば苦手、な人が多いのではないでしょうか?
「私はこんなことができます!」なんて言うと、むしろ出しゃばりとか、目立ちたがり、とか、言われそう・・・
そこで、無難に自分を表す言葉として、多くの人が選びがちな表現が「私の長所は真面目なところです。」では?
そしてその感覚で、英語で自己紹介や、自己PRをする時、
「真面目って英語でどう言えばいいんだろう!?」
と考える人は多いのではないでしょうか。
今回は、そんなギモンに答えるための記事です。
英語で「真面目」はホントに serious ?
和英辞典で「真面目」を調べると、たいてい出てくるのは、serious という英単語(形容詞)。
確かにこれが、「真面目」を意味する最もベーシックな単語と言えるでしょう。
serious にも、実はいくつか意味があります。
たとえば・・・
1.ふざけたり、面白おかしくしない様子。
a serious article
(じっくりと考えさせられるような)真面目な記事。
He’s very serious about his work.
彼は仕事に対してとても真面目だ。
Listen, I’m being serious now – this is a big problem.
聞いて、私は真剣なの。これは大問題だよ。
2.静かで慎重に物事を考え、ふざけて笑ったりしないタイプの人
I remember her as a very serious child.
彼女のことは、とても真面目な子だったと記憶している。
He is a serious person.
彼は真面目な人だ。
3.決心を変えない様子。特に恋愛では、真剣に付き合っている様子。
(be serious about … で)
So is she serious about Anthony?
それで彼女はアンソニーと真面目につきあってるの?
4.真面目に受け取らなければならない(もの)。
(a serious [名詞] で)
This is a serious complaint – we can’t just ignore it.
これは真面目に聞かなければならないクレームだ。無視することはできない。
5.ひどく悪い・深刻な
参考:serious – Cambridge Dictionary
日本人の私達が思い浮かべる「真面目」は、主に1か2あたりでしょう。
serious は、『面白がったりふざけたりしない = 真面目』な様子を表したり、『性格が思慮深く物静か = 真面目』を表すこともできるのですね。
ちなみに、「真面目って英語でどう言うか?」について、日本語で書かれた記事はすでにたくさんありますが、割とよく書かれているのが、
「人が真面目であることを言う時、serious と言うと、『気難しい』とか『面白みがない』と言ったネガティブな印象を与える。」
ということですが。。。
私自身、以前オーストラリア人の英語の先生(パース在住)にこのことを聞いたのですが、「特にネガティブということはない」と言っていました。
たとえば、“He is a serious student.” と言ったら、文字通り「真面目に勉強する生徒」という意味だそうです。
アメリカ英語とイギリス英語で違ったりするんでしょうかね?アメリカでは serious と言うと、「真面目過ぎてつまらない」というニュアンスがあるのかな…?
考えてみたら、日本語でも「真面目な人」と言ったって、文脈によってそれが良い意味になったり、「冗談が通じない」とか「遊びを知らない」とか、悪い意味になったりしますよね。
英語も同じではないでしょうか?
「真面目に仕事に取り組む」と英語で言うには?
人を表す言葉として「真面目」という時、まず「仕事や勉強などを、ふざけたり怠ったりせず、一生懸命がんばる。」という意味で使われることが多いと思います。
では、そういう「真面目に努力する」「真面目に取り組む」といったことを表現するには、serious の他にどんな言い方があるでしょうか?
たとえば、
diligent | 勤勉である様子。自分の仕事に対し常に努力を怠らないこと。(フォーマルな表現) |
hardworking | 仕事や勉強に対し努力を惜しまず、良くやっている様子。 |
conscientious | 真面目な。一生懸命かつ間違いないようにやる様子。 |
industrious | 勤勉な。hardworkingよりフォーマルな言葉。 |
※発音は、電子辞書等でチェックしてくださいね。
さらに、「仕事や勉強を一生懸命にやる」ということを表現するには、以下のような言い方もあります。
try one’s best(ベストを尽くす)
work hard(一生懸命取り組む)
do one’s best(ベストを尽くす)
make efforts(努力する)
be dedicated to(熱心に打ち込んでいる)
など・・・
例文)
He is a diligent student.
= He is a serious student.
彼は勤勉な学生だ。
She is hardworking. She makes consistent efforts to achieve her goals.
彼女は真面目にがんばる人だ。目標を達成するためにたゆまぬ努力をする。
She tries her best at everything.
彼女は何事も一生懸命に取り組む。
He is a dedicated and supportive teacher.
彼は献身的で子ども達の指導に熱心な先生だ。
I am very hardworking. I put a lot of effort into what I do.
私はがんばりやで、自分の仕事に大きな努力を惜しみません。
真面目=「誠実」「ウソをつかない」の英語は?
私達が「あの人は真面目な人」という時、もう一つの意味として「誠実な人」とか「ウソをついたり裏切ったりしない」「言ったことはきちんと守る」「きちんとした人」みたいな意味もありますよね。
そんな場合は、以下のような表現も使えると思います。
reliable | 信頼できる(仕事を安心して任せられる、頼りにできる、など) |
honest | 正直な、誠実な、ウソをつかない |
trustworthy | 正直で信頼できる |
ethical | 道徳的な(ルールを守るなど) |
※発音は電子辞書等でチェックしてください。
例文)
She is a reliable person.
彼女は信頼できる人だ。
He is honest.
彼は誠実だ。
Truly trustworthy friends can be difficult to find.
本当に信頼できる友達を見つけるのは時として難しいことだ。
まとめ
さて、「真面目」に関する英語表現をまとめてみたところで・・・。
冒頭の質問。
面接などで初対面の人に、「私は真面目な人間です。」って、英語でどう言ったらいい?
・・・日本では、「真面目」というのは、人の性格や特性を言い表す表現として、非常に馴染みのある言葉です。さらに、就職や入学の面接なら、「真面目に働きます」「真面目に勉強します」は、PRポイントと考える人も多いでしょう。
でも英語で自分をPRするなら、「真面目」というのは実はPRになっていない!
「自分は何ができる」「こういうふうにできる」ということを言うのが良いみたいですね。
英語圏で求人に申し込む時、最初にCV(resume 自分のスキルや経験をまとめたもの)と共に、担当者にレターを出します(emailの場合もあり)。
ネット上にはさまざまなテンプレートや例文がありますが、その「良い例文」の中に、こんな文章がありました。
I am a conscientious person who works hard and pays attention to detail. I’m flexible, quick to pick up new skills and eager to learn from others. I also have lots of ideas and enthusiasm. I’m keen to work for a company with a great reputation and high profile like [insert company name].
私は真面目な人間で、一生懸命働き、細かいところまで注意が行き届きます。融通が利き、新しい仕事を覚えるのが早く、周りの人から学ぶことに熱心です。また、たくさんのアイデアと熱意があります。御社のような、すばらしい評判を持つ会社で働くことを強く望んでいます。
日本人なら、こんなに自分を褒められない・・・と思うかも!?
でも、英語圏ではこれくらい言わないとダメみたいです(!)
たとえば「真面目」をアピールするのなら、「真面目」という言葉そのものの言い方よりも、「新しい仕事を早く覚えられる」とか、「スケジュール(締切)を守って早く仕事をする」とか、「少ないミスで正確な仕事をする」など、具体的な説明を考えることの方が、より重要なんじゃないかと思いました。