「前の会社」「前のメール」英語で「前の」物事を表す言葉は?

会話の中で、過去の出来事を話すことは多いです。

前の会社では、プロジェクトマネジャーをやっていました。」

前のメールは間違いです。こちらを参照してください。」

前の住人が置いていった荷物だと思います。」

などなど。

英語では、このような時、どう言ったらよいでしょうか?

「前の」という意味の英単語として、多くの方は previous, last, former といった単語を覚えていると思います。しかし、どんな場合にどれを使えばいいのか、ハッキリつかんでいる人は少ないのでは?

また、会話の中で言う時、もっと口語表現に合った、簡単でナチュラルに聞こえる言い方はあるのでしょうか?

この投稿では、「前の」「以前の」という表現について、場面に応じたバリエーションを紹介したいと思います。

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「前の会社」「前のページ」~ previous を使って表す

一般的に、時間や順序について、「今現在の直前という意味で一般的に使われるのは、previous という単語です。

「前の仕事」について

たとえば、「以前(直前)の仕事」なら、my previous job ということができます。前の仕事について説明する時、以下のように言うことができます。

例文)

In my previous job, I was working with some immigrants and international students.

前の仕事では、海外からの移民や留学生達と働いていた。

I worked for my previous company for three years.

私は前の会社で3年間働きました。

My previous employer didn’t pay me overtime.

前の雇用主は私に残業代を払ってくれなかった。

「前のメール」について

また、仕事の場面などでよくメールを送ることがあると思いますが、「前の(直前に送った)メール」について言いたい時は、my previous email でOKです。

例文)

Please disregard my previous email, and use the attached images instead.

前のメールは無視(破棄)して、代わりに添付の画像を使用してください。

As I mentioned in my previous email, you need to show your passport or driver’s licence for entry on the day.

前のメールで述べた通り、当日の入場にはパスポートか運転免許証を提示する必要があります。

「前のページ」について

資料や文書などの内容を英語で説明したい時もあると思いますが、「前の(直前の)ページ」のことは、the previous page と言います。

例文)

This condition is illustrated in Figure 3 on the previous page.

この条件は、前のページの図3に示されています。

You need to add a link to the previous page that the user was on before coming to the page.

(ウェブサイトを作る時)ユーザがこのページへ来る前にいた「前のページ」へ戻るリンクを加える必要がある。

物理的に「今のページの前ページ」という意味でも使われますし、ウェブの場合は「直前に開いていたページ」という意味でも使われます。

その他、

the previous owner/tenant

前のオーナー/借り主(賃貸物件の)

my previous marriage

前の結婚

my previous husband/wife

前の夫/妻

previous experiences

前の(これまでの)経験

the previous series of MasterChef

「マスターシェフ(TV番組)」の前のシリーズ

a previous version of Windows

ウィンドウズの前のバージョン

などのように使われます。

previous? last? どっちを使う?

また、やはり「直前の」という意味を表す時、英語で last という単語も使われます。たとえば、

last night

昨夜

last week

先週

last year

昨年

last 7 days

前の7日間

my last job

前の仕事

the last house I lived in in Tokyo

東京で最後に住んだ家

the last time we met

前に私達が会った時

などなど。

previouslast 。同じような意味に思えますが、どう違うのでしょうか?

基本的には、やはり「今の直前を指す、同じ意味で使えます。口語としては、last の方がカジュアル、previousの方がちょっとかしこまった感じに聞こえますが、どちらを使っても大丈夫です。

たとえば、my last job/my previous job どちらを使っても、「自分が直前にやっていた仕事」という時には、通じるでしょう。

ですが、厳密に言うと、last は「今の直前」という意味。一方、previous は、「話題になっているある時点の直前」を表します。

なので、以下の場合は違いがあります。

In my last job, I helped a lot of customers solve problems as an IT consultant.

前の仕事では、ITコンサルタントとしてたくさんのお客様の問題解決をお手伝いしました。

(last → previous でも可)

今話をしている時の「直前の仕事=ITコンサルタント」について話している。

When I came to Australia 10 years ago, I looked for a job in retail because my previous job was a sales assistant.

(previous → last に置き換えは不可

「オーストラリアに来た時」の「直前の仕事=セールスアシスタント」について話している。この場合は、last よりも previous の方が正確です。

former は previous と違う?どう使う?

previous と混乱しやすいのが、former という単語です。

former も、日本語に訳せば、「前の」になります。たとえば、

my former employer

といえば、「前の雇用主」という意味になります。

ですが、previous は、「直前の」を現しているのに対し、former は必ずしもそうではありません。

例として、自分の職歴が、

(今)A社 ←(前)B社 ←(前の前)C社 ← (前の前の前)D社

の場合、

【A社】my current employer

【B社】my previous employer

【B社/C社/D社】my former employer ※「過去に複数勤務した中の一社」とハッキリ言いたい場合は、one of my former employers

B社の場合は、previous ⇔ former どちらもOKです。

また、former の使われ方としては、

a/the former prime minister of Japan

日本の元総理大臣

one of a former winner of this competition

このコンペの元受賞者の一人

のように使われることも多いです。この場合、「今はもう総理大臣でない」「このコンペの最新の受賞者ではない」=「元・前の」ということを表しています。

oldを使った表現

また、一般的な会話でよくあるのが、「前に住んでいた家」「前に通っていた学校」「前の住所」などという表現ではないでしょうか。

この場合、previous ももちろんOKですが、他に、

my old house

my old school

my old address

などの表現も自然です。この場合、old は「古い」というよりも、(自分にとって)以前の」という意味になり、previous と同義になります。ただ、my(誰々の)が付かないと、ただの「古い家」……になってしまうかも。

例文)

My old house was small.

前の家は狭かった。

That’s my old number.

それは私の前の電話番号だよ。

I saw an old boyfriend of mine.

前の彼氏に会った。

ex?

ちなみにスラングでは、「元彼」「元カノ」「前夫」「前妻」など、前のパートナーのことを、ex と言うことがあります。

例文)

His ex got married and live in Vietnam.

彼の元パートナーは結婚してベトナムに住んでいる。

※ ex の発音は電子辞書等で確認してください。

また、

my ex-boyfriend

元カレ

my ex-girlfriend

元カノ

my ex-husband

前夫

my ex-wife

前妻

など、ex- が付くと、「元~」という感じになります。

これはカジュアルな口語表現です。海外のテレビドラマや洋画などで耳にしたことのある方は多いでしょう。

まとめ

「前の」と一言で言っても、ざっくり過去のことを話す時もありますが、時には厳密に「いつの前なのか」を言い表さないといけないケースもあります。

今回まとめた内容を頭に入れておくと、「前の」ことを英語で正確に表現したり、理解するために、役に立つのではないかと思います。

私自身も改めて勉強になりました。

また、今回紹介したような、「前の~」という決まった英単語を使う以外にも、

I used to work as an art teacher before.

以前は美術の教師として働いていました。

At the company I worked for before XYZ, …

XYZ社の前に勤めていた会社では……

のような表現で、「過去の出来事・経験」を伝えることもできます。

もしも、適切な単語が思いつかない場合も、知っている言葉で臨機応変に表現することも大切かな、と思います。

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