ところで、あっという間に11月……。
もうすでに、私の頭の中では今年が終わりかけています(笑)。
オーストラリアでは、たいてい2月の頭から新学年が始まり、12月のクリスマスホリデー前に一年間の授業が終わります。
というわけで今年も、あと数週間たてば、子ども達の学校も今年一年間の授業が終了。
日本の学校では、学期の終わりに成績表(通知表)が家庭に渡されると思うのですが、こちらにもそういうものがあります。
意外に思うかもしれませんが、こちらの学校では、5段階評価に加えて、各教科に先生のコメントが結構詳しく書いてあります。
そのコメントが、必ずと言っていいほど、褒め言葉から始まる!
そして、「こういうことをさらに取り組めば、もっとこういうふうに良くなるでしょう」という、さらなる向上につながるコメントが続きます。
親としてありがたいですし、人を評価する時に英語ではどんなふうに表現するのかな、なんていう勉強にもなります。
このように人を評価する時、特に褒める意味として、
「あの人はとても努力家だ」
「頑張り屋だ」
「やる気がある人だ」
などのように、言うことがありますよね。
仕事や勉強に対し、一生懸命、手を抜かず、コツコツと取り組む姿勢は、やはり何かを達成するために大切です。子ども達の成績表でも、このような姿勢を評価する表現は、頻繁に出てきます。
今回は、そのような「努力家」「頑張り屋」などを言い表す英語表現のバリエーションを紹介したいと思います!
「努力家」の最も一般的な表現は?
まず、「努力家」とは、どんな人でしょうか?
「たゆまぬ努力をして、目標に向かって何かに一生懸命取り組んでいる人」
と言えるのではないかと思います。
「常に労を惜しまず何かに取り組む」ことを、英語では以下のように言うことができます。
He always works hard.
彼は常に一生懸命やっている。
She always works hard to achieve her goals.
彼女は目標達成に向かってどんな時も努力する。
この work とは、単に「仕事(=労働)をしている」というわけではなく(それも含む場合もあるが)、「(目標達成のために、その時取り組むべき)仕事・課題・勉強などに取り組む」という、ちょっと広い意味で使われます。
そのため、work hard というように、hard が付くと、「自分の取り組むべきことを、一生懸命、熱心に、力を尽くしてやっている」というニュアンスになります。
このように言えば、その人が「常に労を惜しまず取り組む = 努力家である」ことが伝わります。
また、「一生懸命な(人)」という形容詞の表現では、hardworking という英単語があります。
He is a hardworking manager.
彼は仕事熱心なマネージャーだ。
She is a hardworking student.
彼女は頑張り屋の学生だ。
また、「一生懸命やる人」という名詞で表す場合は、a hard worker と言うことができます。
He is definitely a hard worker.
彼は疑いようがない努力家だ。勤勉な人だ。
一応、それぞれの例文に訳を付けましたが、あくまで参考程度にとらえ、work hard のニュアンスをとらえていただきたいです。
これらの表現は、カジュアルな口語でも、文書などのフォーマルな表現でも、さまざまな場面でよく使われます。覚えておくと使えますね。
「努力家の人」を言い表すフォーマルな形容詞
その他、「真面目にコツコツと頑張る」人の様子を表現する形容詞として、
She is diligent.
彼女は真面目な頑張り屋だ。
He is industrious.
彼は熱心な努力家だ。
なども使われます。
やはり、「努力家である」ことを言い表すバリエーションとして使えるでしょう。
こちらは、どちらかというとフォーマルな表現です。
学校の成績表のように、公式な文書で人の評価を述べる時には自然に使われる言葉です。
その他、「真面目に頑張る人」を言い表す表現については、以下の過去記事でも一部触れていますので、興味があればそちらも読んでみてください。
「努力する」effort と strive を使って
日本語では、「努力家」「頑張りやさん」と一言で言い表すことが多いですが、英語で表す場合にも、必ずしも対応する一単語で言い表さないといけない、というわけではありません。
むしろ、ピンとくる英単語がない場合、あるいは思いつかない場合、文章にして表すことを考えてみるとよいです。
たとえば、「努力」を表す英単語として、effort があります。これは名詞です。
「努力する」と動詞で言う場合は、
make an effort (単数形)
make efforts (複数形)
と言います。
※ make an effort と make efforts の違い、については、シチュエーションによります。ある一つの「努力した事」を言いたいのであれば、an effort、 いくつかの努力や取組を行ったことを表す時は、efforts になります。
effort を使った以下のような表現も、その人物が「努力家である」ことが伝わりますね。
例文)
She always makes efforts to achieve her goals.
彼女は目標を達成するために常に努力を怠らない。
He succeeded as an artist because of his consistent effort.
彼はたゆまぬ努力によってアーティストとして成功した。
また、「努力する」の別の言い方としては、strive という英単語があります。これは動詞です。
strive は、「目標を達成するために、継続的に尽力する」というニュアンスがあり、どちらかというとフォーマルな表現になります。
例文)
She is striving for better marks.
彼女はもっと良い点数を取るために努力を欠かさない。
We constantly strive to improve our service.
我々は、絶えずサービス向上に努めております。
「努力家」のこんなバリエーションも
他にも、一生懸命に頑張っている様子を表す英語表現として、以下のようなものがあります。
たとえば、「最善を尽くす」「精一杯やる」という言い方を用いて、
She always works to the best of her ability.
彼女は常にベストを尽くして取り組む。
といった表現もたびたび見かけます。
また、何かに対し熱心だったり、熱意や意欲を持っている様子を表す言葉として、 enthusiastic という形容詞があります。これを使って
He is enthusiastic about his work.
彼は仕事に対しやる気がある。
She is an enthusiastic learner.
彼女は熱意のある学習者だ。= 学ぶことに意欲的だ。勉強熱心だ。
といった表現もあります。
「努力家」「頑張り屋」とまったく同じ意味ではありませんが、仕事や勉強に一生懸命に取り組む人を、英語ではこのように表現することもよくあります。
覚えておくと、表現の幅が広がるでしょう。
まとめ
日本では、「努力家」や「頑張り屋」というのは、人に対してよい評価をする時によく使われる言葉だと思います。また、真面目にコツコツと取り組む姿勢は、社会の中でも重要視されていますよね。
それは、オーストラリアも同じです!
目標を設定し、それに向かって努力を続けることは、こちらでも重要な事ととらえられています。教育の場であれば、宿題や課題をきちんとやる、授業を真面目に受ける、テーマの一つ一つにやる気を持って取り組む……といったことは、地味で当たり前なことだけど、日々の学習には欠かせないこと。しっかりと評価されます。
今回紹介した単語や表現は、子ども達の学校の成績表にも、頻繁に登場します。
ところで、日本語では「努力する」というと、「労を惜しまずやる」「困難なことをがんばる」という点がフォーカスされているように感じますが、英語で「努力」に関する表現は、「目標を設定し」それに到達するプロセス、という意味合いが濃いと感じます。(あくまで個人的な感想ですが)
具体的な目標があって、初めて「努力」は成り立つ。つまり、努力するためには、まず正しい目標を持つことが大切なのではないか。そこに向かって力の限り取り組んでいくことこそ、「努力」することの価値なんだろう。
……なんてことを、この記事を書きながら思いました。