とにかくどんなことでも、英語で言葉にするということは、最初は難しいものです。
特に、私のような大人。日本語での表現が完全に出来上がっていて、頭で考えたことを限りなく不自由なく「言う」ことに慣れています。それゆえに、それを英語で言葉にするということが、ひどく難しく感じます。
まあ、当たり前ですよね。
「言葉が違う」ということは、頭の中で考えたことを、言葉にする過程が違うのです。
それでも、少しずつ英語を話し、英語に触れていくことで、それが感覚的にわかってくるような気がします。
それがわかってくると、そして受け入れられると、「考えを英語で言葉にする」ということが少しラクになってくるのではないか、と私は感じています。
自分自身、まだまだヘタですが、少し英語がパッと出てくるようになったと感じられるようになったのは、このことを理解したからだと自分では思っています。
今回は、その辺について書いてみようと思います。
日本語での思考に慣れている人が、英語で話そうと思った時に、気に留めるとよい小さなコツを紹介します。
「誰が + 何をする・した」に集中する
まず、英語と日本語で表現が違うのは、当たり前のこと。
自分の思いを英語で話す時、最初はなんていうか、「気持ちが悪い」ことがあります。
たとえば、
「お母さんにお弁当を持って来てもらった。」
と言う時、、、
「持って来てもらう!?来てもらう!?~してもらうって、なんて言うの???」
「しかも、誰が?私が?『私が~してもらう」』だから、受け身???」
だから、えーっと・・・(パニック)
ってなってしまうことは、初心者のうちは珍しくないと思うんです。
こんな時、英語にしようと思ったら・・・シンプルに、行動をイメージしてみることです。
つまりこういうこと。
「お母さんが(私に)お弁当を持ってきた。」
“My mum brought my lunch (to me).”
日本語と比べると、ニュアンスが違うんだよなぁ・・・と思う気持ちは、よくわかります!
でも英語にする時には、とにかくシンプルに考える必要があります。
「誰が + 何をする・した」にとにかく集中して、英文を組み立てる。
心でしっくりくる日本語での表現を捨てて、頭の中でこのことを明確にし、それを英文にします。
だから、「ちょっとキモチ悪い」とか、「物足りない」とか、「しっくりこない」という居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。
そこで、自分の感覚にピッタリくるような英語表現を当てはめようとすると、英文としてはぎこちないものになってしまうんですね。
この例文では、日本語だと「持って来てもらった」となっています。
この表現は、主語を補うとしたら「私が(~してもらった)」ですよね?自分が主役。
だから英文でも、主語は I で・・・と考えてしまいがちです。
もちろん内容によっては、英文でも受け身の表現が適している場合もあるでしょうが、もしも「複雑だな」「わかりづらいな」と思ったら、シンプルに「誰が+する」のかを、イメージしてみて、その通りの英文にすると、スッキリ言いやすくなります。
これができると、一歩英語で話すのがラクになります。
言葉にこだわらず、事柄をシンプルに言う
もう一つ、とてもためになる例を紹介します。
私の子ども達は、パースのローカル校に通っています。
体調を崩したりして、休むことも時々あります。
まあ、西オーストラリアの学校は、親との連絡もかなりIT化が進んでおり、学校へもSMSでテキストメッセージを送ればOKだったりして、こちらとしてもかなり楽です(笑)。
けれど他にも学校に質問したいことがあったりして、事務に電話で欠席の連絡をすることもありますね。
「子どもが熱があるので、今日は学校を欠席します。」
と言いたい時は、なんて言ったらいいのでしょう?
日本ではよく、欠席する=absent と習いますし、単語としてもこの言葉を覚えますよね。
だから、
“My son/daughter is absent from school today.”
・・・?
私は、パースで英語を教わっていたオーストラリア人の先生に、こんな時なんて言ったらわかりやすいのか?と質問したことがあります。
その先生は、
“My son has a fever, so he won’t be able to go to school today.“
息子は熱があるので、今日は学校に行けません。
「・・・これが一番わかりやすいし、簡単な言い方じゃない?」
と教えてくれました。
すごい簡単でシンプルな言い方じゃないですか?!
日本人の感覚だと、「今日は(うちの子は)学校に行けません。」なんて言い方は、ちょっとふさわしくないような気がします。
どうしても、「欠席します」「お休みします」と言いたくなりますよね。
でも、事柄として考えると、この英語表現はすごく単刀直入で、伝えるべきことを明確に表しています。
英会話初心者なら、日本語のように英単語をたくさん知らなくて、当たり前。
限られた語彙の中で、核となる「事柄(誰が + どうする)」を表現することに、まずは集中するとよいと思います。
適切な単語がわからない時は。
英語で何かを言おうとした時、「これって英語でなんて言うの!?」って頭が止まってしまうことがあります。
私もいまだにたくさんありますが、英語を話し始めた時は、何もかもがそうでした。
そういうのって、本当に歯がゆいものですよね~。
それでも、「なんていうのかわからないから、黙ってしまう。」のが、最初の頃。
「なんていうのかわからないから、自分がわかる範囲で言えることを探す。」ことができるようになってから、なんとなく英語を話すことがコワくなくなったように思いました。
たとえば、
「紅茶に砂糖を入れて、よくかき混ぜて溶かしてください。」
と言おうと思った時。
これが、たぶん正確な表現だろうと思います。
でも、
stir(かきまぜる)、dissolve(溶ける)、という言葉が思いつかない!
とか、
よくかき混ぜて溶かす、という言い方がわからない!
という場合には、
こう言っても、正確ではないにしても、恐らく通じるでしょう。mixという言葉なら、思いつく人も多いかと思います。だいぶ難易度が下がりますね。
こんなふうに、たとえ言うべきことを完璧に言葉にできないとしても、自分が言える中で近い英語表現を探して、言う、ということは大切です。
黙ってしまうよりは、100倍、会話になりますよね。
また、色んな英語サイトを見ていると、「中学生レベルの単語を知っていればなんとかなる」「基本の動詞を覚えれば何とかなる」という意見を目にしますが、それはきっと、こういうことを意味しているのだと思います。
誰でもいきなり完璧にはしゃべれません。
それでも、まだまだ未熟なりに、英語という言葉にしていくためには、こうしたコツが役立つのではないでしょうか。
まとめ
特に初心者のうちは、英語を話そうとすると、「どう言ったらいいかわからない!」ということが山ほどあります。
日本語で考えれば、本当はもっと正確で適切な言い方があるはず。
でも、英語ではどう言えばよいか、わからない。。。うまく表現できない。。。こんなことしか言えない。。。
そういう気持ちになって、「あー自分は英語が話せないなー!」と思ってしまうかもしれません。
それでも、何も言わないよりはずっといい。
自分が本当に言うべきことの、50%しか英語では言えなくても、「50%しかしゃべれないから何もしゃべらない」よりは何倍もイイ!
確実に、英語を話せる方向へ、進歩していくでしょう。
もちろん、いつまでもそれでいいわけではなく、徐々にボキャブラリーを増やし、より適切で豊かな英語表現を覚えていくことが、よりナチュラルでストレスのない英会話を習得するためには必要なことです。
私自身も、そこをめざして勉強していきたいと思います!