人とコミュニケーションする時、必ずと言っていいほど、相手の言ったことに「わかります」「わかりました」と理解を示す場面があると思います。
英語でも同じ!
ここで、悩んでしまう日本人は多いのではないでしょうか?
日本語で「わかる」という言葉一つとっても、実は色んな状況がありますよね。
今回の記事では、
「相手の話す内容に理解・共感・賛同を示す『うんうん、わかる。』」
「相手の説明を理解したことを伝える『わかりました。』」
「反論を展開する時の『それはわかるけど……』」
「やんわりと質問する『わかったら』『わかる範囲で』」
「物事が理屈に合っている様子を表す『それはわかる、わかりやすい』」
それぞれについて、英語表現を説明します。
あなたの探している「わかる」「わかった」は、この中にありますか……?
相手の話に「うんうん」「はいはい」
会話の場面では、相手の話す内容に『理解』を示すことが大切です。
日本語では、相手の話をちゃんとわかっていることを伝えるために、話の切れ目に、「はい。」「ええ。」「そうですね。」「うんうん。」などと相づちを打つことが多いと思います。
英語では、どうでしょうか?
相手に、「あなたの話を聞いていますよ。理解していますよ。」という意味で、合いの手を入れる時には、要所要所で、
“Okay. ” (OK)
“Right.”
“I see.”
“Yes.”, “Yeah.”, “Ya.”, “Yep.” 等
などと言うことが多いです。また、ネイティブの人では、
“Uh-huh.”
“Mmm, hmm.”
という人も多いです。実際は、鼻だけで声を出すような「ン・フン」「ム・フン」みたいなさりげない言い方です。日本語のあいづちとはずいぶん雰囲気が違うので、私は始めはずいぶん戸惑いました。
参考までに、発音は下記リンクでご確認ください。
相手の発言に対し、「そうだよね、よくわかるわ。」
また、相手が言ったことに対して、特に「それ、わかるよ!」「うんうん、わかるー!」と共感や賛同・賛成の意を強調したい時もありますよね。
そんな時に使える英語表現には、以下のようなものがあります。
◆I know.
「わかるー!」「わかるわ~」みたいな感じです。友達との軽いノリの会話に、ポイントを置いて使うと○。
A:It’s boiling hot today… I can’t do anything but lying down.
B:Yeah, I know!
「今日はめちゃめちゃ暑い……横になっている以外に何もできないよ。」
「だよね、わかるわ!」
◆That’s right.
「わかるわかる!」「その通りだよね!」「まさに!」みたいな、相手の言ったことに同意や賛同を示す言い方です。
A: I don’t go to restaurants that often because eating out is expensive.
B: That’s right. I often eat at home too.
「私はあまりレストランに行かないよ。だって外食は高いでしょ。」
「それわかる。私もたいてい家で食べるよ。」
◆I agree.
相手に同意や賛同を示す言い方です。(agree = 賛成する)
A: It was awful! Parents shouldn’t say that kind of things to their children.
B: I agree, I don’t think it’s fair.
「あれはひどかったわ!親が子どもにあんなことを言うべきじゃないよ。」
「そうだよね。よくないと思うよ。」
◆Absolutely!
相手の言ったことに対し、大きく同意や賛同する時の表現です。
A: It was the best film ever!
B: Absolutely!
「最高の映画だったわ~。」
「チョーわかるー!」
◆I know what you mean.
直訳「あなたの意味することがわかる」という英語表現。「あなたの言いたいことがよくわかるよ(特に、同じ経験をしたことがあるから)」という気持ちを伝えられます。
賛同や共感をしっかり表したい時に。
A: Oh my gosh, we are having annual general meeting next month. I hate it because it’s really long and boring. Waste of time!
B: I know what you mean.
「なんてこった、来月、年次総会があるってよ。ホントに長くて退屈だからイヤだなぁ~。時間のムダだよ!」
「めっちゃわかるわ~。」
相手の説明に「わかりました。」「了解しました。」
相手が言ったこと、特に指示や要望、説明に対し、「わかりました。」「了解しました。」と伝える時には、どんな言い方があるでしょうか?
◆OK. / Sure.
たとえば、頼まれごとをした時、“Yes.”でも大丈夫ですが、「わかった。」「了解です。」という気持ちを表したいなら、
OK.
Sure.
あたりがよく使われます。カジュアルな感じの返事です。
A: Can you help me move this ?
B: Sure.
「これ動かすの手伝ってくれない?」「わかった。」
◆I got it. / I see.
相手の説明や言い分に対して、「了解。」「わかりました。」と言いたい時には、
I got it.
I see.
という表現があります。
どちらも、一般的に「理解した」を意味する言い方です。会話ではよく使われます。
A: Turn left at the stop sign, go until you reach Murray Street, then turn left.
B: OK, I got it. Thanks.
「STOP標識のところで左に曲がって、Murray Streetに突き当たったら左に曲がってください。」
「はい、わかりました。ありがとう。」
これを応用して、「わかった?」と相手に聞きたい時は、
Got it ?
You see ?
と言うことができます。
ちなみに、日本では、「わかる」という意味の英単語として、understand をまず最初に習いますが、いわゆる会話の中の軽い返事として「わかりました」と言うべき時に、“I understand (that).” とネイティブの人が言うところは、あまり聞いたことがないです。understand 自体は使われないわけではないと思うので、間違いではないと思いますが(私が聞いたことないだけかも?国によっても違うかもしれません)。
「わかるけど……」反論を展開する
相手の主張を理解はできるけれど、完全に同意・共感しているわけではないことを伝えたい場合、こんな言い回しもあります。あくまで一例として挙げておきます。
I understand what you mean, but …
「あなたのおっしゃることはわかりますが……」
I can understand that, but …
「それは理解できますが……」
I see your point, but …
「あなたの主張は理解していますが……」
I agree with you, but …
「あなたのご意見はわかりますが……」
That’s right, but …
「そうですよね、でも……」
例文)
I see your point, but I don’t think everyone will agree.
あなたのご意見はわかりますが、全ての人が同意することはないでしょう。
I understand that but obviously it didn’t fix the problem.
(相手の話を受けて)それはわかりますが、明らかに、それでは問題を解決することにはならなかったのです。
もちろん、but … と続けなければ、ただの『完全同意』です。
「わかる範囲で」「わかったら」教えて、の言い方
相手に聞きたいことがあるけれど、ゼッタイ知っているかどうかはわからない、もし知っていたら、わかる範囲で答えてほしい……といった、やんわりとした言い方で質問したい時、ありますね。
そんな時は、こんな言い方ができます。
例文)
If you know any people who want a puppy, please let me know.
もしも子犬を欲しい人を知っていたら、教えてください。
Let me know when you get the exact address for your new house.
あなたの新居の正確な住所がわかったら(住所を入手したら)、教えてください。
また、書類作成の時などに、「わかる範囲で空欄を埋めてください」「わかる範囲で質問に答えてください」などと言う時は、こんな表現が使えます。
“as many ~(名詞) as you can /as many ~(名詞) as possible “で、「可能な限り多くの~」という意味です。
Can you fill in as many blanks as you can?
できる限りの空欄を記入していただけますか?
Can you answer as many questions as possible?
できる限り(多く)の質問に答えていただけますか?
逆に、相手に質問に対し、「私のわかる範囲では」と前置きして答えたい場合もあります。
英語では “as far as I know” と言います。
There is only one Japanese restaurant in this town as far as I know.
私のわかる範囲では、この町には日本食レストランは一軒しかありません。
「意味がわかる」「わかりやすい」の英語表現 (make sense)
「わかる」を意味する英語表現としてよく登場するのが、make sense という成句です。
これは、「(自分が)理解する」のでははく、「(物事が)わかりやすい・意味が通っている・理解されうる」という意味があります。
そのため、主語は(わかる)対象となるモノ・事になります。
以下の例文を見ていただくとよいでしょう。
例文)
This paragraph doesn’t make sense.
この段落がよくわからない。(何を言い表しているのかわかりづらい)
Does that make sense?
(先に与えられた説明など(=that)に対して)わかりますか?
His explanation makes sense to me. That isn’t what you expected, though.
彼の説明が私には納得できるよ。あなたが期待したものではないだろうけど。
It doesn’t make sense.
よくわからないな。納得がいかない。ヘンだなぁ。
まとめ
ところで、日本人はよく、話の切れ目切れ目で「はい、はい。」「そうですね。」「なるほど。」「わかります。」などと言うことが多いし、そうやって調子を合わせて相づちを打つことが大切だ、という感覚がありますよね。黙ったまま聞いていると、話がわかっているのかわからない、相手にとって失礼だ、みたいな。
でも、英語圏の人は、あまり日本人のように相づちを打たない気がします。
こちらがある程度話が途切れるまで、相手は黙っています。慣れるまでは、ただでさえ(私は)うまく英語がしゃべれないのに、相手が間を埋めてくれないので、なんだか居心地が悪いと感じました。
でも、相手はじっと目を見たり、うなずいたりするので、聞いてないわけではないんですよね。それがこちらの人にとってはマナーなのかな?と、最近になって冷静に思うようになりました。
私などは、いまだに話の途中でブンブン頷いたりしちゃうんですが(笑)、それも英語ネイティブの人にとっては「???」に見えるのかも……?逆に、話の途中で、息を継ぐたびに、相手に “ok.” “right.” “I see.”などなどと頻繁に言われると、英語圏の人にとっては「うざい(汗)」と感じるのかもしれません。
こんなところにも、文化の違いが表れるものだなぁ、と感じます。
アイコンタクトや、表情、頷く、などのボディランゲージで、「わかっていますよ」と相手に伝えることも、英語のコミュニケーションでは大切だと思います。
また、他の人の英語ブログなどを見るとわかると思いますが、たとえば “I know.” も、場合によっては無礼な言い方になる……なんて書いてあったりします。“I know.” という簡単な短いセンテンスでも、言い方、表情、声のトーン、強調のしかた、話の中のタイミング、話相手との関係、話題、などなどによって、『親しみのある共感の気持ち』が伝わることもあれば、『横柄でぶしつけな印象』を与えてしまうこともあるのだろう……なんて思いました。
難しいですね~(汗)。
今回紹介した、「わかる」「わかった」「わかりました」の英語表現は、とても基本的なものです。初心者の方でも、少しずつ覚えて使っていけるものです。
ただ、今回紹介した表現は、本当にオーソドックスな例の一部に過ぎません。他にもたくさんの言い方があるでしょう。たとえば以下のリンクは、「相手に理解や賛同を伝える時の英語表現」がまとめられています。
Ways of saying that you know, understand or agree – thesaurus|MACMILLAN DICTIONARY
私自身も、これからももっと覚えて行きたいと思います。
また、「わかる」「わかった」という意味を示す動詞として、understand, realize, recognize, find などもあります。これらは、「~がわかる」「~ということがわかった」などと説明する時に使われます。こちらは、別の機会にまとめたいと思います。