「英語を話せるようになる」とイメージした時に、「ネイティブのような『英語らしい英語発音』で話すことが、英語を話す上で最も大切なことだ、と思う人は多いかもしれません。
それは確かに大事ですが、私の経験から言うと、日本語っぽい発音でも通じることは意外とあります(笑)。
たとえば、日本人がニガテに思うかもしれない ‘water’ ですが、特にオーストラリアはあまり r を強く発音しないので、「ウォーター」と言っても結構通じちゃったりします(笑)。
今の時代、日本語の中にも、『カタカナ英語・和製英語』として、英語を由来とした単語はたくさん使われていますよね。
そういった言葉は、ちょっと英語っぽくアクセントをつけたりすれば、無理矢理ネイティブの人にわかってもらうことも、不可能ではないかも……?
しかーし!!
時には、落とし穴が……。
どんなに「カタカナ英語」で一生懸命言っても、通じない単語があります。
あるいは、ネイティブの人が言っている発音が、どうしてもわからない……つづりを見たら、なんだー、日本でよく使われているアノ「カタカナ英語」じゃん!なんてこともあります。
こういう単語が、実はクセモノなんですね。
というわけで今回は、
「カタカナ英語」と同じ意味の単語なのに、「英語発音」は微妙に違う!
しかもそのビミョーな違いのために、ネイティブの人に通じない!
という、やっかいな英単語(笑)を紹介します。
以下の文中、発音を紹介するために、オンライン辞書 Cambridge Dictionary にリンクを貼っています(※一か所だけ Oxford Learner’s Dictionaries)。発音マークの UK はイギリス英語発音、US はアメリカ英語発音です。
garage(ガレージ)
日本語で、車庫のことをガレージとも言いますよね?
すっかり日本語として定着している、ガレージというカタカナ言葉。
英語では、車庫のことは garage と言います。日本語の「ガレージ」もこの英単語から来ていると思いますが……。
発音は、ちょっと注意です。
どちらかというと、「ゲラージ」「グラージ」というふうに聞こえるし、そう言った方が通じます。
私の住むオーストラリアは、イギリス英語が使われているので、UK発音です。
「ガレージ」と言った時、こちらの人に「?」という顔をされた経験があります。
アメリカ英語ではアクセントの位置が違って、「グラージ」みたいな感じになりますね。
advise(アドバイス)
すっかり日本語としても定着している、「アドバイス」というカタカナ言葉。
advise という単語は動詞で、「人に~することを助言する、~だとアドバイスする」という意味で使われます。
advise someone to do
advise someone that ~[文]
ですが、発音は、日本語のカタカナ発音の「アドバイス」とはちょっと違います。
「アドヴァイズ」というふうに聞こえます。注意すべきは、アクセントの位置と、最後はスでなくて「ズ(/z/)」です。
一方、advice という単語もあります。こちらは、いわゆる「アドバイス・助言・忠告」などの意味を表す名詞です。
名詞の advice は、発音が「アドヴァイス」というふうに、最後が「ス (/s/)」で終わります。
advise (動詞)と advice(名詞)は、発音の違いをしっかり覚えたいですね。
どちらもよく使う単語です。
garden(ガーデン)/gardening(ガーデニング)
日本語でも、庭のことを「ガーデン」と言ったり、園芸のことを「ガーデニング」と言うことはごく普通です。
すっかりカタカナ語として定着している、『ガーデン』『ガーデニング』。
でも、発音は日本語のイメージとちょっと違います。
特にイギリス発音では、「ガードン」と言った方が通じるかもしれません。私は、こちらの人に「ガーデン」と言ったら「?」という顔をされました。
ガーデニングも同じで、
gardening: Cambridge Dictionary
「ガードニング」といった方が通じるようです。やはり「ガーデニング」というと、こちらの人にとっては違う言葉に聞こえるみたいです。
dairy(デイリー)
日本語で、乳製品のことを「デイリー」と言うことがあります。
あるいは、最近乳製品を避けるダイエット?や食習慣が流行っていますが、「ノンデイリー」といった言葉が使われることがあります。
英語では、乳製品のことを表す言葉として、dairy という名詞があります。
おそらく、日本語でも乳製品を「デイリー」という時、この英単語から来ているのだと思います。つづりもなんとなく、そんな感じ。
が、本当の英語の発音は、「デイリー」とはちょっと違います。
どちらかというと、「デアリィ」と言った方が近いかも。
dairy (/deərɪ/) の発音は、air (/eər/)、bear (/beər/)、と一緒なのです。
一方、daily という単語は、「毎日の、日々の」という意味を表す形容詞です。
こちらの発音は、日本語の「デイリー」に近いと言えます。
また、これはあまり英語と関係がありませんが、日本のスーパーなどで「デイリー食品」と言った場合、「牛乳やヨーグルト、ハムやソーセージ、豆腐、漬物、生菓子など、冷蔵が必要で日持ちがしないもの」全般を言うそうです。これはやっぱり、毎日仕入れないといけない=daily から来てるんですかね?さらに、乳製品を含む=dairy をかけている?(←勝手な推測)
カタカナ英語も奥深いですね(笑)。
yogurt(ヨーグルト)
日本語としてすっかりおなじみの、「ヨーグルト」。
もちろんオーストラリアでも売られています。
英語では、ヨーグルトのことは yogurt と書きます。イギリス英語では、yoghurt とも書きます。
では、発音のしかたは?
「ヨグート」くらいの言い方で言った方が、本来の発音には近いです。実際、「ヨーグルト」のルは、英語発音だと必要ありません。アメリカ英語だと、若干 r が入るかもしれませんが、イギリス英語では聞いた感じ、完全に「ヨグー」ですね。
organic(オーガニック)
日本語としてすっかり定着している、「オーガニック」。
有機栽培の野菜のことを、「オーガニック野菜」と言いますね。
こちらでも、organic の野菜や食品は、消費者からの支持を集めています。
「オーガニック」は、そのまんまカタカナ英語発音でも通じそう、ですが……。
英語の発音は?
注意しなければならないのは、アクセントの位置。「オ-ガニック」(/ɔːɡǽnɪk/)なので、オー は付け足し、ガ を強く発音する必要があります。
日本語風に、「オーガニック」と言っても通じません。
海外に行ってオーガニック製品を購入したい場合は、発音をしっかり練習しておきましょう!
MacDonald’s(マクドナルド)
日本の誰もが知っている、「マクドナルド」。
もちろん、アメリカやオーストラリアにもあります!
つづりは、確かに MacDonald’s。
でも、英語圏で「マクドナルド」と言っても、おそらく通じないでしょう。
英語発音では、MacDonald’s はどう言うのでしょうか?
MacDonald’s: Oxford Learner’s Dictionaries
「マクド-ナルズ(イギリス英語)」「マクダナルズ(アメリカ英語)」と聞こえます。
とにかく、MacDonald’s の Do を思い切り強調していいます。
後、最後は「ド」ではなく「ズ」です。
結構、海外旅行などで人に道を聞いた時、場所の目印として「MacDonald’s の先を右折」などのように、マックが登場することがあるかと思います。
そんな時、英語ネイティブの人に MacDonald’s と言われても、「マクドナルドのことだ」とわからない人も多いと思います。
英語発音の MacDonald’s を知っておくと、英語を話す時に便利です。
advertisement(アドバタイズメント)
advertisement は、「広告」を表す名詞です。ad と省略されることもあります。
日本語でも、広告のことを「アドバタイズメント」とカタカナで言うことも、しばしばあります。
advertisement という単語、実は、イギリス英語とアメリカ英語で発音が結構違うんですね。
以下のリンクから、UK発音(イギリス英語)とUS発音(アメリカ英語)の発音の違いを聞いてみてください。
advertisement: Cambridge Dictionary
イギリス英語では、「アドヴァータスメント」という感じの発音です。オーストラリアも同じですね。日本語のカタカナ発音になっている「アドバタイズメント」とは、響きが全然違います。
一方、アメリカ英語では、「アドヴァタイズメント」です。アクセントの位置はカタカナ英語と異なりますが、基本的な発音は「アドバタイズメント」に近いですね。
ビジネスの場面では使う単語かもしれないので、こんな発音の違いを頭の片隅に入れておくと役に立つでしょう。
leisure(レジャー)
日本語ではよく、「レジャー施設」「レジャーパーク」「レジャースポット」等と言います。
また、広い意味で、休日などに遊び・行楽にでかけることを「レジャー」と言ったりしますよね。
これは、英語の leisure という名詞から来ている言葉です。
leisure は、「仕事や他の『やらなければならないこと』をしていない時間」という意味の単語です。
発音は……?
こちらは、イギリス英語では「レジャー」と発音し、日本語とほぼ同じ。カタカナ発音で言っても通じるかもしれません。
しかし、アメリカ英語では、「リージャー」と言う発音になるので、注意が必要です。
また、日本語で「レジャー施設」「レジャースポット」等と言うと、遊園地や動物園、アトラクションが楽しめるところ、と言ったイメージがありますよね。
が、英語圏で leisure centre というと、スイミングプールやフィットネス場がある、スポーツの総合施設みたいなものを指します。日本のレジャー施設とはイメージが違うので、ご注意を!
fennel(フェンネル)
「フェンネル」という野菜を知っていますか?日本ではあまりメジャーではありませんが、料理好きな人なら知っているかも?
「フェンネルシード」はスパイスとして使われたり、「フェンネルティー」として飲まれることもあります。
あるいは、アロマテラピーに興味のある人なら、「フェンネル」の精油を使ったことがあるかもしれませんね。
欧米では、「フェンネル」は野菜としてポピュラーです。根元の膨らんだ部分(鱗茎)や葉の部分は、野菜として料理に使われますし、もちろん種をハーブとして使用することも。ガーデニングの植物としても人気です。
しかし、日本のつもりで「フェンネル」と言っても、通じないかも……?
実際の英語発音を聞いてみてください。
アメリカ英語もイギリス英語も違いはありません。どちらも「フェノー」と言った方が正確かも。
カタカナ英語の「フェンネル」とは、ずいぶん雰囲気が違いますよね?
実際に私自身も、英語で fennel と言われた時、何のことかまったくわからなかった経験があります……フェンネルのことは知っていたにも関わらず(汗)。
英語圏ではポピュラーな植物なので、海外(特に欧米)で買い物をする際には知っておくとよいかもしれません。
iron(アイロン)
日本では、「アイロン」って普通に使いますよね。「アイロンをかける」。すっかり日本語です。
英語では、アイロンを表す英単語、iron を使います。
iron は、「アイロン」を指す名詞としても使われるし、「アイロンをかける」という動詞でも使われます。
つづりも見るからに「アイロン」ですが、実際の英語発音は、
「アイアン」ですよね~。
iron という英単語は、もともと「鉄」を表す名詞です。
日本では、金属製のゴルフクラブの一種を「アイアン」というそうですが、これも、 英語で言う時は iron です。
英語だとすべて iron なのに、一方は「アイロン」で、一方は「アイアン」……紛らわしい~!
しかも、つづりを見ると「アイロン」と言いたくなっちゃいますよね。
覚えておきましょう!
twitter(ツイッター)
世界中で使われているSNSの一つ、「ツイッター」。
日本でも利用者は多く、すっかりおなじみです。
海外でも、多くのセレブや有名アーティストがツイッターで情報発信し、何百万人と言うフォロワーを獲得しています。ファンとの交流ツールとしても使われている、ツイッター。
twitter という英語つづりは、日本人でも見慣れていると思いますが、実際の英語発音で正しく言える人は、実は少ないのでは……?
「トゥイタ」という感じです。アメリカ英語だと、語尾にやや r のようなこもった音が入ります。
そもそも、始まりが「ツ」じゃありません。
私は最初、英語ネイティブの人が Twitter と言っているのを聞いても、「ツイッター」のことだとわかりませんでした。
逆に、英語で話す時、日本語風に「ツイッター」と言っても、通じないと思います。
友達との会話、またテレビなどのメディアでもよく登場する言葉なので、覚えておくとよいですね。
theme(テーマ)
「今日の会議のテーマは……。」
「この物語のテーマは……。」
テーマって、すっかり日本語として定着していますよね。
英語では、「テーマ」に該当する英語は、theme です。
これは名詞で、意味も使われ方も日本語と同じ。
The theme of this meeting is … (このミーティングのテーマは……)
というふうに使えます。
ですが、日本語発音風に「テーマ」と言っても、おそらくゼッタイ通じません(汗)。実際の英語発音は、まるで違います。
どちらかというと、「ティーム」という感じですね。頭の音は、th なので、舌を軽く噛んで出す音です。(日本語で書き表せない)
なんで、日本語では「テーマ」なんだろう?それが逆に不思議です。
theme も、いろんな場面でよく使われる単語なので、正確な英語発音もしっかり覚えておきましょう!
まとめ
以上、カタカナとして、日本語ですっかり定着している言葉なのに、英語発音はカタカナ読みと違う!という、紛らわしい英単語を集めました。
特に、私自身が日常生活の中で、最初はわからなくて戸惑ったものや、驚いたもの、面白いと思ったものを集めました。
こうしてみると、ちょっとした発音やアクセントの違いだったりするのですが、「英語」と「日本語」として、大きな違いを生んでいるみたいです。逆に、「なぜカタカナの日本語はこういう言い方になったんだろう?」と思うものもあり、こうして記事をまとめながら、言葉というものの奥深さを感じてしまいました(笑)。