英語のメールの書き方、基本の基本。書き出しは?結びは?

普段、特に「英語を話す」ことに重点を置いて書いているこのブログ。

ですが、英語でのコミュニケーションを考えた時、現代に欠かせないのが、「電子メール」

海外の企業への問い合わせ取引先へのメール学校や行政窓口への連絡など、英語圏の相手とメールでコンタクトを取る機会って、意外と唐突にやってくるものです。

また、海外や外資系企業への就職活動。今は、求人もオンラインで行われる時代なので、仕事に応募する時も、「レジュメをこちらのメールアドレスに送れ」と指示されることも多いです。レジュメとは、日本でいえば履歴書にあたるもので、自分の職歴やスキルセットを書いたもの。CVとも言われます。

今は、メールでのやり取りがすごく重要な時代。

見ず知らずの相手に英語でメールを書くって、慣れるまでは緊張しますよね。相手に「信頼できる」という印象を残すために、基本的な書き方のルールを知っておくことは大切です。

英文メールの基本ルールを知る上で、特に押さえておきたいのが、「書き出し」「結び」

英語の手紙では、これがとっても重要です!

この記事では、特に書き出しと結びに重点を置いて、メールの書き方の基本の基本を説明します。

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初めての相手へのビジネスメール。

まず、「英語の手紙」の大きなルールとして、「書き始め」と「書き終わり」に、決まりがあります。

メールにも応用できるので、覚えておくとよいでしょう。

Dear Mr. Smith,   …(1)

(本文)

Yours sincerely,   …(2)

Kai Hashimoto     …(3)

(1) メールの書き出し

まず書き出しは、(1) のように始めます 。手紙を受け取る相手・担当者の名前がわかっている場合は、このように

Dear name,

名前を入れて書きます。名前を入れる際のルールは、

last name = 姓 first name = 名

敬称

(honorifics, person’s title)

男性の場合

Mr. last name

Dear Mr. Smith,
女性の場合

Ms. last name

→ 既婚未婚問わない

Mrs. last name

→ 既婚女性

Miss. last name

→ 未婚女性

※相手が確実に既婚未婚わからない場合は、Ms. が一般的。

Dear Mrs. Smith,
相手の名前はわかるが、性別がわからない場合、

フルネームを入れる。

Dear Taylor Smith,

英語の敬称については、他にもいろいろなものがあります。たとえば大学の博士などに宛てる場合は、Dr. を使うとか。これも実は調べると奥が深く、まとめるだけで相当なボリュームになりそうなので、それは別の機会に(笑)。

また、メールを担当部署や企業の窓口などに送ることも多いですよね。初めてのメールの場合、個人の担当者が誰かわからない、ということはよくあります。

そんな時は、こんな書き方をします。

フォーマルな手紙における、受取人がわからない場合の書き方 Dear Sir or Madam,

→ 誰が受け取ってもOK、な万能な感じ

To Whom It May Concern

→ 「関係各位」「担当者様」という感じ

メールでよく使われる表現 例)

Dear Hiring Manager,

→ 「求人担当の責任者さま」

Dear Human Resources Director,

→ 「人事部長さま」

Dear Customer Service Team,

→ 「お客様サービス係 御中」

Dear Team Members,

→ 「チームメンバーへ」グループの各位へ送る時

Dear Colleagues,

→ 「同僚たちへ」仕事仲間複数へ送る時

など。

個人の宛先がわからない場合、一般的なフォーマルレター(紙の手紙)のルールとして、

Dear Sir or Madam,

または

To Whom It May Concern

が伝統的に使われます。これをメールに応用しても間違いではないでしょう。ただ、特にメールの場合、もう少し読み手に「当事者であることを思わせる」、相手との距離感が近い書き方が好まれるようです。メールはより手軽でスピーディである反面、見落とされてしまう可能性もあります。可能な限り、相手の名前を入れる、わからない場合は可能な限り部署名や役職名を入れ、受け取るべき人がハッキリとするように書く方がよいようです。

上の表の「メールでよく使われる表現」は、そうした場合の書き方の例を紹介しています。もちろんこの場合、部署名や役職名は適宜変えるなど、色んな表現が考えられます。

(2) メールの結び

英語のメールの場合、最後には、(2) のような締めの文言を入れる習慣があります。これも、基本的にはフォーマルレター(紙の手紙)の書き方に従って問題ないでしょう。レターを書く時のルールとして、以下のように覚えておくと役立ちます。

(1) 書き出し (2) 結び
Dear Sir or Madam,

To Whom It May Concern

Dear Hiring Manager,

…など、受け取る個人を特定しない場合

Yours faithfully,
Dear Mr. Smith

Dear Ms. Smith

Dear Taylor Smith

…など、受け取る個人の名前を指定した場合

Yours sincerely,

このルールは、あくまで教科書的な、基本原則のようなものです。IELTSの試験(General)では、ライティングで「レターを書く」という課題がありますが、そこでは、これに従うのが正解です。IELTSを受験する人は覚えておきたいルールです。

ですが、このルールはイギリス英語のものだそうで、たとえばアメリカ英語の場合は、

「”Yours sincerely,” の代わりに “Sincerely yours,” とか “Sincerely,” が使われる」

とか、

「”Yours faithfully, “ではなく、“Sincerely yours,”“Sincerely, ”“Yours truly,”が使われる」

とか、違いがあるそうです。

また、これはあくまで教科書的なルールであって、違う締めの挨拶を使う人もいるようです。国や地域の習慣によっても違いがあるかもしれません。

また、Eメールはあくまでカジュアルなやりとりで、正式な紙の文書よりは「フォーマル度が下がる」と考える人もいるようです。よほどフォーマルなメールでない限り、もう少しカジュアルな結びの言葉を使う人もいるようです(次項「知っている相手とのビジネスメール」参照)。

ただ、ネイティブの感覚を知らない私達日本人が、初めての相手にきちんとしたメールを書くのであれば、以上に紹介したフォーマルな形式にのっとって書くのがまずはよいでしょう。

(3) 自分の名前を入れる

これも、一般的なレターの書き方にのっとっていますが、(2) の結びの挨拶の下に、(3) 自分の名前をフルネームで入れます。

さらに、ビジネスの場合であれば、役職・部署名・会社名・電話番号・メールアドレスなどをその下に追加しておくとよいでしょう。

例)

Dear Taylor Smith,

… …(本文)

Yours sincerely,

Kai Hashimoto

Consultant, Tokyo Consulting Firm
03-9999-9999
kaihashimoto@tokyoconsulting.com

知っている相手とのビジネスメール

最初に問い合わせやお知らせのメールを送った場合、相手から返信が来ますよね?

その段階で、相手が必ず名前を名乗ってきます。そのため、次回からその人に送る場合は、

Dear Taylor,

または

Hi Taylor,

のように、ファーストネームで書き始めます。

このように、知っている相手(面識がなくても、これまでにメールや電話でやり取りをしたことがある人も含む)に対するメールの場合、書き出しはカジュアルダウンします。

この場合、結びの言葉は、”Yours sincerely,” よりもカジュアルなものが使われます。

いろんなバージョンがありますが、

Regard,

Kind regards,

Best regards,

など

あたりが、ビジネスであれば無難な感じだと思います。

日本の仕事文化の中では、「メールや電話で1,2回やりとりしたくらいで、いきなり “Hi Taylor,” なんて名前で呼ぶの、馴れ馴れし過ぎない?」という感じがしますが、英語圏ではこのようなしくみになっています。逆にいつまでも名字で呼ぶ方が不自然かもしれません。

ちなみに、私の場合は、“Hi Mrs. XXX,” で送られてくることも多いですが、その場合明らかに「XXXファミリーの女性」という意味合いが含まれる場合です(子どもの学校からの連絡や、借りている家の不動産屋からのレターなど)。個人でやりとりするメールは、基本ファーストネームのやりとりになりますね。

個人的な感覚として、電子メールの場合、最近では、“Dear name,” よりも、”Hi name,”がよく使われている気がします。メーリングリストやビジネスの顧客に対する案内メールなども、この挨拶で始まるものが多いです。Hi の方がより軽い挨拶という感じ?

また、さらにやり取りの慣れた相手や、明らかに互いに話が分かりあっているような、連続したメールの場合、最初の書き出しの挨拶(Hi xxx)や、最後の終わりの挨拶(Regard など)も省略されることがあります。

まとめ

英文メールを使ったコミュニケーションは、今の時代、欠かせないものです。

今回の投稿では、英語でメールを書くための、最低限知っておきたいルールについて、まとめました。ルールと言っても、決まりきった重要なルールと言うのは、この「書き出し」と「結び」だけ!ここをきちんと押さえて、自信を持ってメールを書きましょう!

ところで、本文でも少し触れましたが、この「手紙の頭と終わりの定型句」は、ネット上でよく調べてみると、ネイティブの人の間でも万人共通の合意というものではないようです。特に、イギリス英語とアメリカ英語では違いがあるようです。

私が住むオーストラリアでは、イギリス英語が使われているので、今回はイギリス英語をメインに紹介しましたが、日本で教えられている英語は一般的にアメリカ英語です。日本の学校では、もしかしたら少し違うことを習うかもしれませんね。注意してください。

また、もっとも肝心なことが、「相手の名前に対する認識」の違い、でしょうか。

日本の場合、相手のことを「課長」「部長」「先生」……等と(特に相手が髙い役職の場合)役職名などで呼びます。「●●さん。」なんてあえて名前で呼ぶと、逆に失礼に聞こえますよね。でも英語では、基本相手のことは名前で呼びます。名前が重要です。

また、オーストラリアでは、わりと礼儀がカジュアルな面もあり、一度名前を名乗り合ったら、ファーストネームで呼び合うのが習慣です。たとえばビジネスの取引相手、企業と顧客の関係でも、ファーストネーム(下の名前)でやりとりをするのは自然です。それは、メールに限らず、電話でも対面でも同じです。

日本なら、自分が入っている生命保険の担当者や、仕事で一回打ち合わせをしただけの人と、下の名前で呼び合うことはまずないと思うので、「契約上の付き合いをする相手」との距離感の違いに戸惑う日本の人は、実は多いのではないでしょうか……。

この辺も、もしかしたら国によって違いがあるかもしれません。が、日本人が思う程、相手をファーストネームで呼ぶことは失礼にはならないし、逆に何回もやり取りしているのに “Mr./Ms. last name で呼ぶのも、英語では不自然かも。

一方、事例にもよるかと思いますが、たとえば生徒が学校の先生を呼ぶ時は、”Mr./Ms. last name” が礼儀正しいです。このように、英語圏であっても、上下関係がはっきりしている場合は、敬称+名字で呼ぶべきケースもあります。

こうした、名前のとらえ方の文化の違いを把握しておくと、英語のメールを書く際にも役立つのではないかと思います。

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