英語の勉強の中でも、ちょっとした簡単な会話で出てくる表現に、むしろ戸惑うことがありますよね。
学校では習わないけど、日常的な口語表現でネイティブの人がよく使う、っていうような。
その代表格(?)が、こんな表現じゃないでしょうか?
“Hi, how are you?”
“Pretty good!”
「ハイ、調子はどう?」と聞かれて、Pretty good ?
pretty って???
pretty は、「かわいい」とか、人や物が魅力的で素敵なことを表すんだろう、ということは、多くの人が考えると思います。
たとえば、映画の「プリティ・ウーマン」とか。
でも、じゃあ pretty good って、何よ?と思いますよね?
はい、私がまさにそうでした(笑)。
でも、pretty は「カワイイ」といった意味だけではありません。
今回は、この pretty good の pretty が何を表しているのか?
どんなニュアンスで使われるのか?
を、わかりやすくまとめます。
これを知っておけば、自信を持って ”pretty good!” が使えますよ!
形容詞や副詞の前につくprettyの働き
単語の中には、形容詞や副詞の前について、それがどの程度●●か、ということを表す働きのものがあります。
最もわかりやすいのが very ではないでしょうか。“very ●●”と言うと、「とても・すごく●●だ」という意味になります。
It’s good. → very good
(それはよい → すごくよい)
It’s cheap.→ very cheap
(それは安い → とても安い)
I go to that cafe often. → very often
(私はそのカフェによく行く → とても頻繁に行く)
などなど。つまり、good は「良い」だけど、very good は「すごく良い・とても良い」という意味ですよね。
他にも、
really good
so good
の、really(本当に)、so(とても)も、やはり同じです。
このような働きをする単語はいくつもありますが(以降の記事中で紹介しています)、
で使われる pretty も、その仲間です。
この pretty は、good の程度を表しています。日本語風に言えば、「けっこう良い」みたいな感じになります。実際にどの程度を表すのか?については、後ほど詳しく説明します。
pretty good と very good、どっちがより good ?
次に疑問に思うのが、では pretty good と very good 、どっちがより「良い」のか?ということですよね。
結論から言うと、very の方が強いです。very は、「すごく・とても」と意味を強める言葉です。
pretty は、veryよりも程度は下。very good というほど「ものすごく良い」ではないけど、でも、ちゃんとgood です。
また、たとえば「やや良い・少しだけ良い」という言い方なら、たとえば
と言います。
それに対し、pretty good は、それよりも十分に「良い」ことを表しているので、ネガティブな意味はないです。
ちなみに、pretty と同じような単語で、quite や fairly があります。
quite good
fairly good
これらも、感覚的には pretty good と同じです。
まとめると……。
★「ものすごく・とても●●だ」と強調したい時は、
very, so, extremely, really
などが使われます。
また、カジュアルなスラングでは bloody, damn なども使われます。
例文)
It’s extremely hot today!
It’s bloody hot today!
今日はものすごく暑い!
★「ものすごく」という程ではないけど結構●●だ、という場合は、
pretty, quite, fairly
が使われます。特に pretty は、カジュアルな会話表現でよく使われます。
例文)
It’s pretty hot./It’s quite hot. So you should bring your hat.
結構暑いから、帽子を持っていきなさい。
★「ほんの少し、やや●●だ」と言う時は、
a little, a bit, a little bit, somewhat
などが使われます。somewhat はどちらかというとフォーマルな表現です。
例文)
It’s a bit hot.
少し暑い。
実際にpretty って「どの程度」を表すの?
私自身思うのですが、pretty, quite, fairly って、ある程度英語に慣れるまでニュアンスをつかむのが難しい面があると思います。
その理由の一つが、日本語の表現にあるんじゃないか、と思います。
英和辞書を引いてみると、pretty/quite/fairly どれも、
[形容詞・副詞を修飾して]
かなり、相当、けっこう、いくらか、なかなか、まあまあ
という言葉が並んでいます。
これ、すごく曖昧ですよね!?「かなり」なら very に近いし、「まあまあ」なら「それほどでもない」みたいな意味にも取れる……。
そんなわけで、結構日本人にとって、混乱しやすいと言うか、感覚を理解しずらい言葉じゃないかな、と思います。
実際に pretty が使われるのは、どういう時か?というと、
“very ●●” と言うほど絶対的にそうではない。でも、十分に●●だ。そこそこちゃんと●●だ。というような感じです。
たとえば、
This is a cheap wine. But it tastes pretty good.
このワインは安いね。でも結構おいしいよ。
といった時、「値段は安いワインだけれど、味はそれにしては悪くない・十分にちゃんとおいしい。(でも安いのだから、高価なワインのように『感動するほど超おいしい』ではない)」
というニュアンスです。
あるいは、先の例文にあげた、
というのは、「(猛暑という程ではないけど、それでもやはり十分に)暑いから、帽子を持っていった方がいいよ」
というニュアンスです。
それを日本語で表そうと思ったら、やっぱり「結構」「かなり」「そこそこ」「まあまあ」といった表現になるんですね。
例文)
“How was the interview?” “I think it was pretty good.”
「面接はどうだった?」「まあそこそこ良かったんじゃないかな。」
Three yeas ago, her English was terrible. But now she speaks English quite well.
3年前、彼女の英語はひどかった。でも今はずいぶん上手に英語が話せるようになったよ。
まとめ
というわけで、冒頭の
“Pretty good!”
の意味が、わかりますよね!
「めっちゃいいよ!(very good!)」 と言う程じゃないけど、 Good ! だけでもなんか物足りない。「いい感じだよ」というニュアンスを伝えたい。そんな時になんとなく、使われるんでしょうね。
考えてみれば、日本語でも、「結構」とか「まあまあ」とか「そこそこ」とかって、文脈によって程度の感覚って変わるし、言う人によっても変わりますよね。
「あの映画どうだった?」
「うん、結構良かったよ。」
と言った時、「すっげーよかった!」という程ではない、ということは確か。でも、どちらかと言えば面白かったし、思っていたほど悪くもなかった。意外と楽しめた。みたいな感覚が、「結構」という言葉から読みとれるのではないでしょうか。
pretty good と言う時、話し手は無意識のうちに、そんな心情を込めているのかな、と思います。