英語を学ぶ際に、日本人と英語圏の人々との文化・生活習慣・価値観の違い、というのが、意外にも言葉に大きな影響を与えていることに気づきます。
英語を、単語ひとつひとつ日本語に訳すだけでは、いまいちピンとこない内容も、実際にこちらで生活してみて、「あーこういうことなのか」と合点が行くことも、多々あります。
英語を学ぶと言うことと、その言葉を話す人々の文化や価値観を学ぶということは、非常に緊密な関係にあるんですね。
そしてまた、海外のライフスタイルや価値観を学ぶことで、日本人として刺激を受けることも、たくさんあると思います。特に私は今、オーストラリアに住む中で、子どもを通して、子育てや教育に関する考え方の違いに触れる機会が多いです。
もっとも違うなーと思うのは、オーストラリアの教育は、とにかく「褒める」ことに重点が置かれています。
といっても、もちろん、なんでもかんでもいいコトばかり言うわけではありません。悪いことをしたら、叱られるし、罰も受けます。
ただ、良いコトをした時に、とにかく言葉で「褒める」。
先生も、親も、周りの大人も、子どもの小さな行動に対し、良い点を見つけたら、しっかり言葉に出して「よくやったね!すばらしい!」と言います。
だから、日本語に比べると、褒め言葉というのが多いし、本当によく耳にします。
また、子どもに対してだけではなく、大人社会の中でも、「褒め合う・称え合う」ということが会話の中にごく自然に織り込まれます。
日本では、自分の子どもや生徒、家族、同僚、上司や部下などを「褒める」って習慣がないですよね?特に、改まった場でない限り、なかなか面と向かって褒め言葉を言うことが、少ないように思います。
でも、海外では本当に、褒め言葉は会話の一部として多用されます。
そうした背景を知った上で、褒める英語の表現をいくつか知っておくと、実際に海外の人と会話をする上で役立つかも?
この記事では、英会話の中でよく登場する「褒め言葉」の例と使い方を紹介したいと思います。
「やったね!」「素晴らしい!」と一言で褒める
誰かが良いことをした時。
たとえば・・・
いい成績を取った。試験に受かった。表彰された。努力して作品を作り上げた。
(子どもなら)運動会のレースで一位を取った。逆上がりができるようになった。
などなど・・・
そういうシチュエーションに対して、一言で「すごい!」「素晴らしい!」「やったね!」というような声をかける時は、
“Great!”
“Fantastic!”
“Awesome!”
“Amazing!”
などなど。すべて褒め言葉です。
元々は、それぞれの意味がありますが、褒めたい時に言うならば、細かい意味の違いは気にせず、その時に自分が言いやすい言葉を選べばOK。
特に、同じ単語ばかりを何度も繰り返し言うのも、会話としてちょっと不自然だな、と思うことがありますが、こういう単語の中から、その時々でバリエーションを選んで言うと、ナチュラルになります。
細かい意味の違いによって言葉を使い分ける、というよりは、一つのシチュエーションに対して表現できる言葉をいくつか覚えておくと、便利ですよ。
また、
“Well done!”
“You did it!”
といった言葉は、「よくやったね!」という意味で使われます。
その人が努力したこと、がんばって成し遂げたことなどに対し、言葉をかける時に、とてもよく使われます。
「すごいね!」「才能があるね!」と褒める時
人よりも秀でた素晴らしい能力を発揮したり、普通ではできないことを達成したような時、
「あなたはすごい人だね!素晴らしい!」
と称賛したい時もありますね。
これももちろん、先に挙げた褒め言葉も使えます。
その他、
“You are amazing.”
“You are incredible.”
のような、『あなたは(ビックリするほど)すばらしい』みたいな言い方もあります。
また、
“You are special.”
“You are exceptional.”
(exceptional = 特に優れた)
“You are talented.”
(talented = 才能がある)
“You are a superstar.”
みたいな言葉も、褒める時に使われます。
やったこと、作品を褒める
直接人を褒めるのではなく、作品や仕事に対し、賞賛を送るというシチュエーションも非常に多くあります。
そんな場合は、It(それ=作品や仕事を指す)を主語にして、
“It’s awesome!”
“It’s amazing!”
“(It’s a) great work!”
“What a fantastic job (it is) !”
などと言うこともたいへん一般的です。
awesome や fantastic といった言葉が出てきていますが、このように「良い」ことを表現する言葉は、good 以外にもたくさんあります!
good を意味する形容詞のバリエーションを知っておくと、褒める時にも使えます。以下の記事で紹介しています。
“I like it.”
“I love it.”
このように「私はそれが好きだよ。」「それが気に入ったよ。」という言い方も、実は褒め言葉としてよく使われます。
“I love your drawing.”
あなたの絵すばらしいね。
“I like what you’ve made.”
あなたの作ったもの(作品)、素敵だわ。
言う時は、like や love を強調して発音すると、表現が豊かになります。
“What a great drawing, I love it!”
素晴らしい絵を描いたわね!
など、他の言葉と組み合わせて使うと、表現の幅が広がります。
英語ならではの褒め言葉
私自身が特に、日本にはない、英語らしい「褒め言葉」だな、と思うのが、コレです。
“I’m proud of you.”
がんばった人、何かを成し遂げた人に対し、よくかけられる言葉です。
直訳すると、「あなたを誇りに思う」ということになりますが、その人の達成したことや、それに対する努力を、認めて称賛すると共に、「私もすごくうれしい」と自分の気持ちに変えて表現している言葉だ、と私は感じます。
互いに何かをやり遂げるために協力し合ったり、時間を共有してきた間柄だと、すごくピッタリくる言葉ですよね。
我が子のことや家族を褒める時にもよく使われるし、学校の先生が生徒を褒める際にもよく使います。友達同士でも使われたり、スポーツコーチがチームに対して、上司が部下に対して、などでも、使われる言葉です。
自分自身の努力を認め、「自分はよくやった」と言う時は、
という表現も聞きます。
物事がうまく行った時も、結果がうまく出せなかった時も、使える言葉です。
まとめ
以上、褒める時の表現を、シチュエーションで分けてみました。
が、これ以外のケースでは使われない、というようなものではありません。
こうした褒め言葉は、
“I heard you got the National Creator Award last week. Amazing! You really did a great job! Well done, Helen! “
あなたが『ナショナルクリエイター賞』を受賞したと聞いたわ。すごい!本当に素晴らしいよ。よくやったね、ヘレン!
などのように、会話の流れに応じて、組み合わせて使います。
ちなみに、英語で相手に話しかける時は、こうして最後に相手の名前をつけるのが習慣です。慣れないとなかなか言いづらいものだし、最初から無理することはないですが、知っておくとよいかもしれませんね。
「褒める」時に、なかなか日本人にはピンとこない言葉もありますよね。
たとえば、
“You are a superstar!”
と言う言葉は、日本人の感覚だと、「スーパースター?相当すごい人にしか、使わないんじゃないか!?(汗)」と思うかもしれないけど・・・実際に私の周りでは、ごく普通に使われます。
幼稚園の先生が、何か活動をがんばった子どもに対して、愛情を込めて言ったり、ハイスクールのダンスの発表会で素晴らしい演技をした生徒を評して、先生が言ったり、などは、私自身がよく聞いてきたケースです。
少しでもイイことをしたと思ったら、惜しむことなく褒める!
それが英会話の法則。
感覚の違い、と言うこともできるかもしれませんが、こうした褒める言葉をよいタイミングで会話に織り込むことが、英会話をよりナチュラルに盛り上げるコツではないかと思います。
最後に、日本では「褒める」という行為があまりなじまない、と先も書きましたが・・・
私自身は、日本人ももっともっと、周りの人のことも自分自身のことも、しっかりと言葉に出して褒めることをした方がいいのでは、と思います!
相手の良いところをごく自然に言葉に出して伝える、という習慣が、日本でももっと一般的になれば、みんなもっと自信を持って生きられるんじゃないかな~と、海外に住んでみて思います。