英語は、ネイティブレベルを目指す必要なし!それはなぜかを知ってほしい。

英語を話せるようになりたい!と思う人の多くが、「英語を話せる」の姿として思い描くのが、「ネイティブと同じような発音で、ペラペラと英語をしゃべれること」ではないでしょうか?

スラングやジョーク、独特の言い回し、皮肉なども理解し、自分も会話に織り交ぜながら・・・「ネイティブがしゃべる英語」と同じような英語をしゃべれること。

それが、「英語を話せるようになる」ことだと、多くの人は思っているかもしれません。

だから、

「日本人の(ちょっと)ヘンな英語」 ・・・とか、

「海外では通じない おかしな”日本人英語”」 ・・・とか

「日本人英語の勘違い ネイティブ100人の結論」 ・・・とか

「ネイティブが許せない 日本人がかならず間違える英語」 ・・・とか

・・・

(これすべて、ネットでググって発見した、実際の本のタイトルです。内容は知りません)

こういう本のタイトルに、おもわず私達は反応してしまうのでしょう。

「ネイティブと同じレベルの英語が話せない」=「英語が話せない」と私達は思っていませんか?

そして、ネイティブの話す英語と同じでなければ、間違いだ、と。

でも、オーストラリア・パースに3年9ヶ月ほど住んでみて、私は、

それは違う!

と断固言いたいです。

今回は、その理由と、そして「では私達日本人は、どんな英語をめざしたらよいのか?」ということについて、書こうと思います。

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なぜ英語を話す必要があるのか?世界共通語としての英語

みなさんは、どんな理由で「英語をしゃべれるようになりたい!」と思いましたか?

さまざまな理由があると思います。

アメリカやイギリスなどの英語圏で生活したいから、あるいは英語ネイティブの人と交流したいから、という人もいるでしょう。

しかし一方で、英語ができれば、「世界のさまざまな国の人とコミュニケーションする手段が増えるから」「日本以外に住むという選択肢が増えるから」「世界にビジネスチャンスが広がるから」・・・と考えている人もいるでしょう。

つまり、「世界共通語としての英語」を話したい。

英語を話すのは、もはや英語圏の人だけではありません。

日本で、ビジネス等で英語を使う人の中にも、仕事相手はインド人だったり中国人だったり、東南アジアの人だったり・・・必ずしも英語ネイティブの人だけを相手に英語を使うわけではありませんよね?

私は現在、西オーストラリア・パースという都市に住んでいますが、人口の3分の1以上が海外出身の移民(オーストラリア以外の国で生まれた人)、と言われます。
そのうちの約半分が、イギリス・ニュージーランドなどの英語圏の国ではない、非英語圏の出身。人口の約15%が、家庭では英語以外の言葉をしゃべっている、という結果が出ています。

※出典
http://www.omi.wa.gov.au/resources/publications/Info_Sheets/Cultural_Diversity_2013.pdf(2011年の国勢調査のデータを基に、西オーストラリア州政府 Department of Local Government and Communities Office of Multicultural Interests が発表)

オーストラリアは英語圏の国ですが、実際には海外出身の人も多く住んでおり、自分の国の言葉がメインの言語でありながら、仕事や社会でのコミュニケーションのために英語を使っている、という人も多いです。

自分の国の言葉で育ち、大人になって英語を使って仕事をしたり海外生活を送ったりする人は、世界各国にいます。

私達は日本で英語を学ぶ際に、そのような人々のことにあまり意識を向ける機会はないと思います。

が、英語を話すのはそもそもネイティブだけではないし、英語圏の国であっても、パースのようにさまざまな人種が住む場所では、さまざまなレベル・さまざまなスタイルの英語が使われます。

オーストラリアの英語教育として、標準的な英語というのはあります。発音、使われる単語、文法・・・なども、子ども達の学校教育の中では、スタンダードというものがあります。

しかし、実生活の中では、それに沿わない英語も使われるし、そのような「標準的な」英語を使えない人もたくさんいます。
それを「ネイティブ英語じゃない!」と言って切り捨ててしまったら、社会が回っていきません。

「世界共通語」という面で「英語」を見た時、英語は実に雑多な状況で、様々なバックボーンを持つ人々に使われる、、、ということを、まず日本で英語を学ぶ人たちには伝えたいです。

英語ネイティブの英語は、海外の人にとってわかりづらい?

『英語を使ったコミュニケーションが世界で最もヘタなのが、英語ネイティブ。』

この言葉に、多くの人は「???」「うそー」と思うでしょう。

昨年、こんな記事をみつけました。

Native English speakers are the world’s worst communicators | BBC – capital

「世界共通語」として、多国籍の人々が英語を話す状況の中では、「英語」を使ったコミュニケーションが最もヘタなのが、「英語しか話せない英語ネイティブ」だというのです。

内容を簡単に要約すると、

ネイティブでない人(英語を『外国語』として使っている人)は、目的を持って注意深く話す。また、限られた語彙シンプルな表現で、装飾スラングは使わない

言われた言葉を、「言葉通りに」意味を理解する。英語が得意でない人に対しても、素早く適応し、助けを出せる。

一方、英語ネイティブの人は、話すスピードが速く省略語スラングを使ったり、ジョークを入れたりする。

英語ネイティブは、自分の言語が世界共通語であるため、話し相手に合わせて話す、という必要性を感じていない

そのため、ネイティブの話す英語が、ネイティブじゃない人にはわかりづらく、誤解を招きやすい。

さまざまな国の人々が集まり、「世界共通語」として英語を使用する場面では、ネイティブじゃない人同士はうまくコミュニケーションができるが、英語ネイティブの話は理解してもらえない

ということです。

さまざまな専門家が実例を挙げて分析していますので、興味があれば本文を読んでみてください。

特にこの記事の中で出てきた、

ある提案に対し、イギリス人が “That’s interesting.” と言った時、それを聞いたのがイギリス人なら、暗に “That’s rubbish.”(「くだらないね。」)と言っていると思うかもしれない。

でも、他の国の人なら、言葉通り「面白いね。」と受け取るだろう。

という例。

記事では、ネイティブじゃない人が理解できず、誤解を招く例、として挙げられています。

確かに言いますよね、

「●●って単語は、××って意味だけど、ネイティブは暗に反対の意味を込める。知らないと恥をかく。」

みたいなこと。

正直、

「しーるーかー!」

って思いますよね(笑)。

でも、そういうことで混乱するのは、日本人だけじゃないわけです。

最終的にこの記事では、

「英語ネイティブは、ネイティブじゃない人とのコミュニケーションに適応しようとしなければ、世界の中でビジネスチャンスを失い、大きな損失を出す可能性もある。」

ということを説明しています。

わかりやすい英語が話せる人の特徴とは?

実際に私はパースで、「外国人」という立場で、さまざまな英語を聞く機会があります。

元々オーストラリア出身の人の英語は、もちろんネイティブの英語。

でも、私自身が「この人の英語、わかりやすい。」と思う人は、意外にも、非英語圏出身の人が少なくないです。

たぶん、お手本となる「きれいな英語」を聞いて、勉強してきたこと。

あと、英語が母国語でない人にも聞き取りやすいように英語を話すことに慣れている。そういう場面をたくさん経験してきたんじゃないか、と思うんですね。

私自身は、「ネイティブ英語」というより、こういう英語をめざしたいな、と思っています。

あと、こんなこともありました。

時々、パースから離れた田舎の方へ、遊びに行くことがあります。

地方で暮らす人々は、結構なまりもあるし、「何を言ってるのかわかんない~汗」ってことも多いんです。

でもある時、田舎のワイナリーで対応してくれたおじいさんが、すごく聞き取りやすい英語でしゃべってくれました。だいたい田舎のおじいさんは、もごもご英語をしゃべるんですが。

しばらくおしゃべりをしてわかったのですが、そのおじいさんは、世界中をあちこち旅してきたそうです。

それを聞いて、なるほどなーと思いました。

きっと、英語があまりわからない国の人に、英語をわかってもらうために、しゃべり方を工夫した経験があるのでしょう。

あるいは、自分が他の国に行き、外国語を理解する難しさを体感したのかもしれません。

英語ネイティブ・非ネイティブという要素より、さまざまな国の人と、英語で意思疎通した経験が豊富な人であるほど、わかりやすい英語を話すスキルが高い。

と、私は思いました。

裏返せば、私達自身が英語を話す時、どんな点を意識したらよいか、を知ることができますね。

まとめ

確かに、もともと英語で生まれ育ってきた人のように英語がしゃべれたら、それは素晴らしいことかもしれません。

しかし、「英語ネイティブのような英語」でなければダメなのか、といったら、そう思う必要もない、と私は思います。

ネイティブの使うスラングや略語、早口の言い方など、理解できればそれに越したことはないですが、実際、「英語圏」と言ってもアメリカ・イギリス・オーストラリア・・・など、国によって変わることも色々あります。「ネイティブの英語」というよりも、地域性とか国民性みたいなものの影響も大きいでしょう。むしろ『英語力』がないから理解できないのではなく、ローカルの人々と触れあう中で、経験として理解していくものかもしれません。

たとえば、「九州ではこういう時こう言うんだな。」「大阪ではこういう表現が一般的なんだな。」みたいな感じで。

日本人がまず英語を学び始める際には、そういったことを過度に心配せず、、、まずは基本の単語と文法を覚え、自分が言いたいことを簡潔に、的確に、できるだけ誤解がないよう伝えられること。それをめざせばいいのではないか、と思います。

「世界共通語」として英語を学ぶなら、まずはそれが目指すべきことであり、それでたいていのことは解決できます。そこに到達してから、その先をめざせばいいんだし。

日本人の英語をネイティブはヘンだと思ってる???

思わせとけばいいです(笑)。

真面目に聞いて理解してくれる人も、たーーーくさん、いますよ?

そういう人々と、しっかりわかりあえるような英語をめざしたいですね。

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